~愛すべき「本格ミステリ」の世界~

プロフィール 

音倉誓示(Otokura Seiji)

Author:音倉誓示(Otokura Seiji)
魅力的な謎。論理的な解決。そして少しの遊び心♪
「本格ミステリ」の魅力が少しでも多くの人に伝わりますように。
元、某地方書店チェーンの店長。
九州在住。

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午前零時のサンドリヨン午前零時のサンドリヨン
(2009/10/10)
相沢 沙呼

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ポチこと須川くんが、高校入学後に一目惚れしたクラスメイト。不思議な雰囲気を持つ女の子・酉乃初は、実は凄腕のマジシャンだった。放課後にレストラン・バー『サンドリヨン』でマジックを披露する彼女は、須川くんたちが学校で巻き込まれた不思議な事件を、抜群のマジックテクニックを駆使して鮮やかに解決する。それなのに、なぜか人間関係には臆病で、心を閉ざしがちな初。はたして、須川くんの恋の行方は―。学園生活をセンシティブな筆致で描く、連作ミステリ。第十九回鮎川哲也賞受賞作。

「第19回鮎川哲也賞」の受賞作です。

著者は、フリーのプログラマーをされているという「相沢沙呼」さん(*男性です)。


ミステリ好きな高校生のぼく(須川)は、1年生の春に、同じクラスの、綺麗だけどあまり他人を寄せ付けないクールな雰囲気を持った女の子「酉乃初(とりのはつ)」に一目惚れします。

彼女の内面をまったく知らず容姿や雰囲気だけに惹かれている自分に自己嫌悪気味の須川くんでしたが、ある日姉に連れていかれたレストラン・バー「サンドリヨン」で、それまで学校では見たことのない魅力的な笑顔で、お客さんを相手にマジックを演じる酉乃さんを見かけます。


他人と距離を置き、なかなか感情を表に出さない学校での彼女。

自信に溢れ、いきいきとした表情でマジックを演じる「サンドリヨン」での彼女。

そして、その二面性に戸惑いながらもますます彼女に惹かれる須川くん。

それぞれが悩み、時には勇気を出したりしながら、学校で起きた不思議な出来事の謎を解いていきます。


「マジック」と「ミステリ」。

どちらも私が大好きな趣味の一つです。

そこに登場したこの「女子高生マジシャンが登場するミステリ」を、私が読まない訳がありません。

「ミステリーズ!」(東京創元社)に掲載されていた鮎川哲也賞審査員の選評を見ると、決して全員が手放しで絶賛した訳では無かったようで、実際に面白いかどうか半信半疑のまま読み始めたのですが・・・・・完全に杞憂でした。


面白い!

そして何より愛らしい!


学校を舞台にしているだけあって――連続殺人鬼がクローズドサークルで見立て殺人を行う訳もなく――、一つ一つの謎はそんなに大がかりな物ではありません。

いわゆる「日常の謎」と呼ばれる物語です。

「空回りトライアンフ」「胸中カード・スタッブ」「あてにならないプレディクタ」「あなたのためのワイルド・カード」という4つの中編で構成された連作ミステリですが、それぞれの物語に数々の魅力的なマジックが登場します。

「ミステリ」である以上、最後に物語の謎は解かれるわけですが、当然のごとく作品に登場するマジックのタネは明かされません。

ここがミステリ読みにとってはもどかしかったりするのですが、作中にもあるように、やはりマジックは「解く」よりも「不思議を楽しむ」方が、正しい楽しみ方でしょう。



セミプロ級のマジシャンでもある著者の相沢沙呼さんは、鮎川哲也賞の贈呈式でも作中に登場するマジックを自身で実際に演じてみたりと、来場者に驚きを与えていたようです。


スゴ腕のマジシャンでありながら、人間関係にはとても臆病で不器用な酉乃初。

そして、何とか酉乃さんと仲良くなりたい、酉乃さんの悩みを取り除いてあげたい、と悪戦苦闘する須川くん。

本格ミステリとしてはやや小粒な印象はあったものの、ちりばめられた伏線とそれをうまく回収してあるプロット、そして何より悩み、成長していく登場人物たちの愛らしさ。

酉乃さんがマジックを始めた理由は、個人的にはとても共感できるものでした。



次回作が、とても待ち遠しい作品です。







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2010/01/15 02:47|・相沢沙呼TB:0CM:2

 

逆転検事 2 (ヤングマガジンコミックス)逆転検事 2 (ヤングマガジンコミックス)
(2009/10/06)
カプコン黒田 研二

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カプコンの本格ミステリゲーム「逆転検事」が漫画になった、「コミック版逆転検事」(講談社ヤンマガKC)の第2巻です。

ゲームとは違うオリジナルストーリー、脚本はもちろん本格ミステリ作家の黒田研二さんです。

今回の第2巻には「逆転の銃弾」「逆転ミュージアム」の二つのエピソードが収録されています。


「逆転の銃弾」

パトロール中に宝石強盗犯を発見し、そのままパトカーで追跡をしている警察官の「常世直志(とこせなおし)」。

犯人の車を行き止まりの廃墟ビルに追い詰めますが、犯人の男(「武田啓史(たけだひろふみ)」)は、何と若い女性(「一十路千佳(いちじゅうじちか)」)を人質に取っており、彼女に拳銃を突きつけたまま、ビルの中に逃げ込みます。

人質となっている千佳を救出するため、応援の到着を待たず武田を追ってビルの中を登っていく常世巡査。

道に迷ったイトノコ刑事(「糸鋸圭介(いとのこぎりけいすけ)」)が現場に到着した直後、ビルの中からは3発の銃声が!

イトノコ刑事達があわてて踏み込むと、そこには脇腹を撃たれて重傷を負っている常世巡査と、額を撃ち抜かれて即死の武田が横たわっており、人質の千佳は部屋の隅で震えていました。

千佳を警察病院に送り届けたイトノコ刑事は、我らが御剣検事と共に現場検証を始めますが、何とどこを探しても奪われた宝石が見つかりません。

一体奪われた宝石はどこに?

そして、この事件の真相は?

コーヒーの空き缶、犯人が使った逃走車、現場に残った「粉」などを手掛かりに、御剣検事の推理が冴えます。


今回のエピソードは割と分かり易かったので、何とか最終話を読む前に真相に辿り着く事が出来ました。

ストーリーとは関係ありませんが、警察署の前に「タイホくん」が友情出演(?)しています(いや警察署だから居て当然か)。

でもなぜ「タイホくん」はケガしてる?


「逆転ミュージアム」

世界的な美術研究家「アマネク・シール」氏を空港で出迎えた御剣検事は、氏の希望に従って、そのまま山奥の美術館へ向かいます。

その美術館(「せせらぎ美術館」)は、何と山奥の断崖絶壁の上に建っており(笑)、美術館に渡るには不安定な長い吊り橋を通るしか道はありません(笑)。

う~ん、すごい立地ですね。

さて、奇しくも同じ頃、イトノコ刑事はこの美術館の館長である「魅木蘭次郎(みきらんじろう)」に呼ばれ、絵の警備を頼まれます。

この美術館には、あの超有名な画家「ゴホン」の晩年の傑作といわれる「おまわり」が収蔵されているらしく、今回アマネク・シール氏の依頼で20年ぶりに倉庫から出したため、最近巷を騒がせているあの「ハンサム強盗団ジェントルマンズ」が狙いに来るのではないかと、館長は気が気ではないようです。

ちなみに「ハンサム強盗ジェントルマンズ」とは高価な絵画や彫刻ばかりを狙う強盗団で、メンバー全員がそろいもそろってハンサム、さらに全員が赤いタキシードを身に着け、いかなるときも紳士的な態度を崩さないこの強盗団は、最近女性ファンが急増中だそうです。

なんてツッコミどころが多い楽しい設定・・・(笑)

以前、きのこ狩りの最中に道に迷って遭難寸前だった所を魅木館長に助けて貰った事のあるイトノコ刑事は、恩返しも兼ねてこの依頼を引き受け、館長の姪で美術館の職員である「黒戸萌音(くろともね)」(←なんとジェントルマンズのファンクラブの会長。おいおい)、せせらぎ美術館専属警備員で空手家の「阿藤護(あとうまもる)」、館長が雇った私立探偵の「別須任尽(べすとうつくす)」(←なんちゅうネーミング・・・)らと共に「おまわり」の警護をする事になります。

阿藤が「おまわり」の前に張り付いて警備をしている「特別展示室」を含め、合計12台の監視カメラの映像が「監視室」のモニターに映っています。

そこに起きた突然の停電!

一同は慌てて特別展示室に向かいますが、絵の前では阿藤がしっかり警備をしており「おまわり」も無事でした。

その後停電も無事に復旧し、監視カメラの映像も特に異常が無いまま1時間あまりが過ぎた頃、再び起こる停電!

イトノコ刑事に阿藤のケータイから電話がかかってきますが、なぜか無言!

そして特別展示室に駆け付けた皆が見たのは、部屋の内側からドアを塞ぐように転がっていた阿藤の無残な死体(密室状態!)と、絵を盗まれて額縁だけになった「おまわり」の残骸でした。

同じ頃、吊り橋の前では別須任探偵が「赤いスーツを着込んで胸元をヒラヒラさせたハンサム」を捕まえますが・・・(笑)


2回目の停電が起こった時、イトノコ刑事が特別展示室に駆け付けるのにかかった時間は約1分。

ジェントルマンズはそのわずかな時間に阿藤を殺害し、「おまわり」を持ち去ったのでしょうか?

しかしここは断崖絶壁に囲まれた美術館。

唯一の逃げ場である吊り橋には御剣検事がいました。

ジェントルマンズは、そして消えた「おまわり」は一体どこへ!?


今回も「赤いスーツのヒラヒラ男」(笑)の推理が冴えます。

阿藤殺害や「おまわり」消失についての謎は、割と伏線が分かり易かったので大体想像通りでしたが、この事件の外側で起きていたもう一つの出来事には意表を突かれました!

上手い!

ジェントルマンズ、また登場しないかな~。

さて、しばらく連載が中断していた「逆転検事」ですが、12/9に創刊された「月刊ヤングマガジン」の第1号で連載が再開されました。

ミステリ好きのアナタ!

コナン、金田一、QEDが好きなアナタ!

ぜひ本棚に「逆転裁判」と「逆転検事」を加えましょう(^^)








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2009/12/28 01:22|逆転裁判&逆転検事TB:0CM:0

 

さて、いまさら感の漂いまくる記事で恐縮ではありますが、なんか中途半端なまま終わるのもアレですので一応この件にも少し触れておきます。

お目汚し、ご勘弁を。



「殺人トーナメント/井上夢人」

一応、締切前に推理投票は送りました。

ミステリというよりはパズルの趣が強かったので、当然犯人(いや「優勝者」か)は正解しましたが、個人的に忙しかった(解答欄に長々と文章を書く気になれなかった)時期でもあり、優勝者を特定するにいたった経緯はきれいさっぱり省略して、

「与えられたヒントから、優勝者は新海亜希。深倉澄子はすでに殺害されていて、佐分利の目の前にいる深倉は新海の変装」

といった内容の短めの解答を送りました。

解答編をご覧になった方はお分かりのようにこれは当然正解なのですが、冒頭で「今回は、優勝者を特定するに至った推理のプロセスを全て当てた人を『完全正解』とする」と公表された時点で、一気にテンションが下がりました(-_-;)

詳しく書いて送った時は意外な部分が完全正解の要件だったりしたものですが、省略した時に限ってそれが必要要件になるなんて・・・(T_T)

つくづく、世の中とは上手くいかないものです。

とりあえず、変装の件を当てたという事で一人で自分を慰めて、溜飲を下げました。


「記憶のアリバイ/我孫子武丸」

そしていよいよ最終回、待ちに待った我孫子武丸さんの回です。

「殺戮にいたる病」に驚愕し、「人形シリーズ」に微笑み、「かまいたちの夜」で楽しませてもらったミステリファンとしては、この「記憶のアリバイ」を一番楽しみにしていました。

・・・が、ご存知のように音倉家ではとてもそれどころではないやきもきした状況が続いておりましたので、ケータイ小説こそ読んだもののとてもゆっくり推理する気分にはなれず、結局推理投票を送らないまま締切を過ぎてしまいました。

なんせ、録画した問題編を観たのが解答編放送の直前という体たらく。

ただ、ただ、一つだけ言わせてください!

小説版の問題編を読んでまず考えたのが、「これって真犯人は二重に上書きしてるんじゃないの」だったんです!

ええ、終わった後なら何とでも言えますもの。

いやもちろんホントですよ、これ思いついたの。

ただ、それが可能だったのは誰なのか、なんてとてもゆっくり考える気にはなれず、そのまま月日が流れてしまった訳で・・・。

解答編をざっと観た感じでは「確かにあの真相はアリだけど何だか余詰めが多そう(他の真相も成り立ちそう)」という印象でしたが、ロジカルに突き詰めて推理された方々の反応はどうだったのでしょうか?

そして誰もが(?)忘れ去っていたであろう「ミステリマイスター」を、最終回になって突然持ち出されるとは思いませんでした。

それまでまったく触れなかったくせに・・・。

ま、何はともあれ、正解された方々おめでとうございます(^^)


何だかいかにも「Season3」がありそうな終わり方でしたが、う~ん、次がもしあったら参加はどうしようかな~。

ま、そのとき考えますか。



とにかく、期間中ここを訪れてくれた皆様、そして数々の意見や推理を披露して下さった皆様、ありがとうございました。

やっぱりこういうのは一人で楽しむより、大勢でわいわい言ってる方が楽しいですね(^^)


お祭りも終わった事だし、このサイトもそろそろ少しずつ本来の「ミステリ小説の感想ブログ」に戻って行きますので、私と同じく「謎」に魅せられた皆様は、今後とも気長に、そして末長くお付き合い頂けると幸いです(^^)








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2009/12/12 01:55|Season 2TB:0CM:4

 

更新がすっかり遅くなりました。

実は記事は割と早めに書いていたのですが、どう冷静に書いても作品や作家さんを批判する内容になってしまうので、アップするのを少し躊躇していました。

そこで数日あえてアップせずに色々考えていましたが、いくらミステリをけなしたくないとはいえ、やっぱり正直になるべきだと思い、結局アップする事にしました。

感情を抑えて、かなり表現を柔らかく書いたつもりですが、感じ悪い文章になっていたらごめんなさい。

以下、数日前に書いた文章です。


もう「メゾン・カサブランカ」の事はサクッと忘れてさっさと「殺人トーナメント」に頭を切り替えたい所ですが、区切りをつけるためにも一応書かせて頂きます。


柿崎を殺害した犯人は「畑中操」。

操には盗癖&過去のトラウマがあり、下着泥棒の自作自演が柿崎にバレて、つきあうように強要されたので殺害した、という事でした。

問題編では「柿崎を殺害した犯人は誰か」という謎以外にも「ピザでお腹いっぱいだったはずの柿崎が、なぜ餃子を注文したのか」など、他にもいくつかの謎が提示されていましたが、さすがに今回は、6千数百人の中にも全ての真相を言い当てた読者(視聴者)はいなかったようで、「完全正解」そのものがスルーされていました・・・。

おそらく「餃子はカーズィムに食べさせるつもりだった」と解答した人は全員犯人を「カーズィム」にしており、「操が下着泥棒だった」と解答した38人の中には餃子の件を当てた人はいなかったんでしょうね。

ま、そりゃそうだ。

しかし!

ここで著者をちょっとだけ擁護させてもらうと、小説版の解決編はTV版とはかなり印象が違いました。

TV版の解決編だけ見ると、正解するための妄想プロセスは、

 「磯田・白井・カーズィムにはアリバイがあり、犯行可能なのは長谷川か操」→「長谷川が犯人では意外性がない」or「操役の女優さんのブログを読んだ」→「犯人は操に違いない」→「問題編からは動機を推測できる伏線が無かったので、操が下着泥棒だった事にしよう」

だったように感じます。

しかし、小説版の解決編では、

 「柿崎は白井に“引っ越さなくてもいいかも”と言っていた」→「白井が引っ越そうとしていたのは下着泥棒が原因」→「という事は下着泥棒の件が解決した」→「下着泥棒の件が解決するには“犯人逮捕”か“セキュリティの強化”だが、柿崎にはセキュリティを強化するだけの金が無く、猫好きの柿崎が番犬を飼うはずもない」→「という事は柿崎は“下着泥棒の犯人が分かった”に違いない」→「現場からデジカメが消えていた事と合わせて考えると、柿崎は下着泥棒の犯行現場を撮影したに違いない」

という推理プロセスを、

 「柿崎はピザで満腹だったので、餃子は自分が食べるために頼んだのではない」→「柿崎は自殺に偽装されていたが、犯人がもし柿崎が餃子を注文しているのを知っていれば自殺に偽装しても無駄な事が分かるはずなので、柿崎を殺害した犯人は柿崎が餃子を注文していた事を知らなかったはず」→「という事は、柿崎が餃子を注文したのは、柿崎が食べるためでも犯人に食べさせるためでもなく、磯田に見せる面白い写真(ムスリムが餃子を食べる写真)を作るためにだったに違いない(←想像の翼を広げましょう)」→「磯田に見せる面白い写真は“下着泥棒の犯行現場”だったはずなのに、別の面白い写真を用意しようとしていたという事は、下着泥棒の犯人と話がついて“犯行現場の写真”を消去する事になったに違いない」→「しかしカーズィムにはアリバイがあるので、カーズィムは犯人ではない」→「他にカーズィムが餃子を食べる可能性があるとしたら、それは操ちゃんのために違いない」

という推理プロセスと合わせて、

「という事は、下着泥棒の犯人で、なおかつ柿崎を自殺に見せかけて殺害したのは操ちゃん以外にありえない!」

という結論に辿り着くように(少なくとも著者はそう意図して)作られていたようです。

ま、あくまでそれを狙ったのだろうというだけであって、実際はミステリとしてまったく成立していなかった訳ですが、しかし少なくともTV版よりは多少好感を持てました。

下着泥棒が清楚な女性だったという意外性や、柿崎が餃子を食べさせようとした人物と柿崎を殺害した人物は別人だったというヒネリは、それが成功したかどうかを別にすれば面白い発想だと思います。

しかし今回は、いや間違えた、今回も、あまりにも小説と映像が違いすぎる。

小説では、柿崎は猫を撮影していてそこに操が写ってしまったようになっていましたが、TV版では完全に変態盗撮魔でしたし・・・。

ただ小説の方も、「扼殺」と「絞殺」ぐらいはちゃんと使い分けて欲しかった。

小説版解決編の「柿崎も抵抗したが、座った状態で後ろから首を絞められてしまえば、抗いようがない」というのも、いくらなんでも無理がありすぎです。

メールの日付や曜日がおかしいのも、なぜか秋に手に入る夏季限定商品もたぶんスルーされるとは思っていましたが、まさかFMラジオまでスルーされるとは・・・。

常にこちらの考えの遥か斜め上を行く「探偵X」、まだまだ私も修行が足りません。

伏線から真相を推理する訓練は積んでいるつもりですが、まさか真相に繋がる伏線を全て後だしされるとは思いませんでした。


そして、どうしても最後に一言だけ言いたい。


写真をネタに交換条件を出すなんて、


柿崎ってすっげーイヤな奴じゃん!


ふぅ、スッキリ。




さ、次は井上夢人さんの「殺人トーナメント」がすでに始まっています。

懲りずに頑張るぞ~っと。





・・・とここまでは10/31の午前中に書いていたのですが、昼過ぎにNHKからお詫びのメールが来ましたね(^^;)

これには驚きました。

それだけクレームが多かったんでしょうね(あ、私はここで遠吠えしてるだけで、何も送ってないですよ)。

今回の作品は、そもそも原作が犯人当て小説として成立していませんでした。

真相を知った後に読み返してみて、それでもやっぱり真相に辿りつけないミステリは初めてです。

しかし、それを更に何倍にもひどい作品にしたのは、原作の意図をまったく汲んでいないあの映像化でしょう。






私はミステリが大好きです。

子供の頃に読んで感じたワクワク・ドキドキ、そしてビックリ。

そして、大人になって少しは分かるようになってきた、とりわけ「本格ミステリ」と呼ばれる作品たちにおける論理性や構築美。

少しでもたくさんの人たちに、この楽しさを知って欲しいと思っています。

本当ならこの「探偵X~」には、今までミステリに興味がなかった方たちにミステリの楽しさを知ってもらう番組になって欲しかった。

しかし今回の「メゾン・カサブランカ」で「探偵X~」に参加した方たちは、きっと「ミステリってこんなに理不尽でつまらない物なのか」と感じてしまったのではないでしょうか。



私はそれが何よりも悔しいです。










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2009/11/03 01:35|Season 2TB:0CM:5

 

さて、なんとか送りました、推理投票。

ホントは日曜日の夜ぐらいにゆっくり考える予定だったんですが、結局なんだかんだで気がつくと月曜の夕方。

とりあえず何か送らないと、とアセりながら、月曜の夕方4時半ぐらいにようやく送信しました。

なんか小学校のころ夏休みの最終日にあわてて宿題を片付けていたのを思い出して、ある意味ちょっと懐かしい気分でした・・。



さて、以下私の妄想が続きます。


今回、問題編を読んでいてまず最初に考えたのが、

 ①犯人は104号室の住人。「アパートは大学関係者で満室」のはずが、なぜか104号室の住人は登場せず。問題編に登場した容疑者全員が犯行不可能な状況で、消去法により論理的に犯行が可能だったのは、語られなかった104号室の住人。

というものでした。

以前書いた「気になっている事」とはもちろんこの事です。

しかし!

残念ながら「容疑者全員が犯行不可能」な状況では無かったようで・・・。

「意外な犯人」という意味ではこれが一番楽しいと思ったのですが、そうは上手くいかないみたいです(とか言ってこれが真相だったらどうしよう)。


さて次。

 ②犯人は磯田。問題編で日付や時間が曖昧だったり曜日が食い違ったりしているのは、実は著者の壮大な叙述トリックで、一見成立しているようにみえる磯田のアリバイは実はまったく成立していない。夏季限定のブルーハワイ生八つ橋が10月に手に入っているのもその伏線の一つ。

これはさすがに無いでしょう。

「探偵X」ですし、ブルーハワイは華麗にスルーされるのでは。


残る容疑者は4人。

しかし、白井・カーズィムにはアリバイあり(カーズィムのアリバイについては細かい事を言えばいろいろ出てきますが、それは他の容疑者に関しても同じなので、ここは私が華麗にスルー)。

で、残るは長谷川先生と操。

これは犯人当て小説である以上、犯人は「意外な人物」でないと面白くない。

という事で、どうしても操を犯人にしたくて、「操犯人説」で色々考えてみました。

まず、出前の音に気付かなかったというのはやはり不自然。

さらに「サイズの大きいTシャツ」「紫の下着(TV版)」「ベッドには枕が2つ(TV版)」という事で、妄想すればするほど違う方向の妄想が膨らんで・・・・あ、いや失礼。

結局、引っかかる点はいくつもあるものの、どれも操が犯人と断定するようなストーリーには上手く結びつかず、「操犯人説」を断念。

で、結局「長谷川先生が犯人」で送信してしまいました・・・。

これがもし正解なら多少は救われますが、いかにも怪しいので、「案の定ミスリードだった」なんて事になると、まるで私は「フルスイングでの長打を狙わずに、バットを短く持って当てに行ったのにあっさり三振した」みたいな非常にカッコ悪い男になってしまう気が・・・。



今回の問題で私が念頭に置いたのが、「柿崎はバカだけどいいヤツ」というキャラクター。

今回は「餃子」が大きなポイントの一つだと思いますので、下着泥棒が実はカーズィムで、柿崎が「へいへいカーズィム~。操ちゃんにバラされたくなかったらこの餃子食べてみろよ~」みたいな悪ふざけをして、侮辱されたカーズィムが激怒して殺した、というのも考えましたが、カーズィムのアリバイを崩すのがメンドくさかった(!?)のと、柿崎はバカだけどそんなイヤなヤツじゃないはず、という観点からこの推理はやめました。

ま正直、話の持って行き方次第で「触れられていない104号室の住人」「本当はアリバイが成立していないかもしれない磯田」「アリバイが自己申告だけの白井」「動機はともかく、十分犯行可能だった操」「あやふやなアリバイで、豚肉を食べられないカーズィム」「なぜかFMラジオを断定した長谷川」の誰が犯人にも持っていける気がします・・・。


最後になりましたが、私が推理投票に送ったのは『長谷川先生が犯人。一番遠い部屋にいながら”FMラジオ”と断言したのはおかしい。柿崎は子猫を撮影しようとしていて、偶然、操の下着をくわえている猫を撮影。磯田に「面白いものを見つけた」とメールし、白井には「もう大丈夫」と発言。ピザを食べた後に長谷川先生が来たので餃子を注文し、「俺下着泥棒の犯人分かったんっすよ~」とか言いながらデジカメの話をし、下着泥棒の真犯人だった長谷川先生は自分が脅迫されていると誤解して柿崎を殺害』とか大体こんな内容です。

あ、もちろんツッコミどころ満載なのは自分で分かってますので、出来ればその辺はスルーしてもらう方向で。




さて、あとは解決編の放送を待ちましょう♪






・・・・・・・とここまでは昨日の夜と、今日の昼間仕事の休憩時間にミニノートPCで書いたのですが、さっき帰ってきて自分のブログを見てびっくり!

みんな考える事は同じというか、すごいな~、というか・・・・。

とりあえず明日の夜を楽しみに待ちましょう(^^)

どんな結果が出ても穏やかな心で(^^;)







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2009/10/27 20:04|Season 2TB:0CM:13

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