~愛すべき「本格ミステリ」の世界~

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音倉誓示(Otokura Seiji)

Author:音倉誓示(Otokura Seiji)
魅力的な謎。論理的な解決。そして少しの遊び心♪
「本格ミステリ」の魅力が少しでも多くの人に伝わりますように。
元、某地方書店チェーンの店長。
九州在住。

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カラスの親指 by rule of CROW’s thumbカラスの親指 by rule of CROW’s thumb
(2008/07/23)
道尾 秀介

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“詐欺”を生業としている、したたかな中年二人組。ある日突然、彼らの生活に一人の少女が舞い込んだ。戸惑う二人。やがて同居人はさらに増え、「他人同士」の奇妙な共同生活が始まった。失くしてしまったものを取り戻すため、そして自らの過去と訣別するため、彼らが企てた大計画とは。

今回は道尾秀介の「カラスの親指」です。

ここ数日忙しくてなかなかブログの更新が出来ませんでした

その間に数冊読み終わっていますので、順次アップしていきます

さて、この「カラスの親指」は、確か今年の7月ぐらいに発売になったと思いますが、その時も「買ったけど読んでない本」が大量に溜まってましたので(いつもの事ですが)、「そのうち買おう」とついつい後回しになっておりました。

ところが!

つい先日「サイン本」を手に入れる機会がありまして、迷わずゲット!

↓ちなみに画像です(クリックで拡大)
道尾秀介サイン

サイン本は何冊か持ってますが、道尾秀介さんは初めてです

先日は雫井脩介さんの「犯罪小説家」という新刊を買って、このブログにもアップしましたが、「犯罪小説家」はその後で出版社からサイン本の案内が来て、泣く泣くあきらめました・・

さすがに2冊も同じ本はちょっと・・

カラスの親指」はすぐに買わずに待っててよかった!(←買いそびれただけ)




主人公は武沢竹夫46歳、通称「タケさん」。

職業は「詐欺師」。

相棒の「テツさん」こと入川鉄巳(いるかわてつみ)と共に、今日も「仕事」に励んでいると・・。

ちょっとしたきっかけで一人の少女を助ける事になってしまい、ついには同居を始めます。

そこに少女の姉とその彼氏、さらにはかわいい仔猫まで住み着いて、総勢5名(と1匹)の奇妙な共同生活が始まります。

それぞれツライ過去を抱えていますが、タケさんやテツさんの家族を奪ったヤミ金融の残党が、執拗にタケさんを追ってきます

追い詰められた彼らは逃げることをやめ、詐欺師としての知恵を活かし、ついに反撃を決意します



今回の作品はどんなストーリーなのか、何の予備知識も持たずに読み始めたのですが、次々に物語が展開していく中であちこちに仕掛けられている小さなサプライズ

特に後半、この5人がヤミ金の連中に反撃を仕掛けてからは、まさにハラハラドキドキ緊迫のコン・ゲームです

一息ついて「ほっ」とした所にどんでん返しもしっかり用意され、さすが道尾秀介

とても楽しめました

しかし読者(というか私)は贅沢な生き物です

他人のような家族(うちは違いますが)が多い中、家族のような他人がお互いに信頼し、結束する心あたたまる物語。

そしてなおかつ詐欺師を主人公にした秀逸なコン・ゲーム

十分に面白かったです。

でも道尾秀介には、さらに上を期待してしまいます

まあフツーに面白かったな・・と残り数ページを読んでいたその時!!

来ました!!

最後の最後!これぞ道尾秀介です!!!

ご自分で読んで確かめてください

今回も最高でした







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2008/11/04 23:14|・道尾秀介TB:0CM:0

 

ジェシカが駆け抜けた七年間について (角川文庫 う 14-5)ジェシカが駆け抜けた七年間について (角川文庫 う 14-5)
(2008/10/25)
歌野 晶午

商品詳細を見る
ミステリ界の異才が放つ、驚天動地の長編ミステリ!カントクに選手生命を台無しにされたと、失意のうちに自殺したマラソンランナーのアユミ。同じクラブ・チームのジェシカは自分のことのように胸を痛めて泣いた。それから七年後、……。驚天動地の本格ミステリ

今日は、歌野晶午さんの「ジェシカが駆け抜けた七年間について」を読み終えました。

私のいつものパターンですが、職場で新刊の検品(伝票と商品が合っているかのチェック)をやっている時に、「あ!前から読みたかった本が文庫になってる!」と、絵に描いたような衝動買いをした1冊です。

売場に並ぶ前に私が買ってしまうので、時々担当者から怒られます・・

しかも、まだ買ったまま読んでない本が何冊もあるのに・・・。

それはさておき、

また見事にやられました!!

ええ、それはもう気持ちいいぐらいにやられました。

衝撃度はやっぱり「葉桜の季節に君を想うということ」の方が上かも知れませんが、こちらも中々のものです。

私は「葉桜~」は単行本で読みましたのであれから何年も経っていますが、この「ジェシカが~」は「葉桜~」とほぼ同じ時期に書かれた作品のようです。


主人公は、エチオピア人のジェシカ・エドルという陸上選手。

日本人のカナザワというカントクが主宰する陸上競技クラブに所属し、同じクラブに、日本人のハラダ・アユミという選手もいます。

1997年4月、ハラダ・アユミは自殺します。

2002年10月、ハラダ・アユミと名乗る女が日本人観光客の前に姿を現します。

2004年11月、ジェシカは国際レースのため来日します。

2004年11月、その国際レースの会場でカントクが殺されます。

・・・すみません。さすがにこれ以上は書けません。


葉桜の季節に君を想うということ」では、頭の中に思い描いていた景色が、終盤一気に別の映像に書き換えられる衝撃を味わいました。

また道尾秀介さんは「片眼の猿」で、それと同種の素晴らしいサプライズを味あわせてくださり、一発でトリコになりました。

そしてこの「ジェシカが駆け抜けた七年間について」は、読んでいて、「何かがおかしい」という感覚は常にあったのですが・・。

けど、それが何か分からないんです。

そして終盤・・。

繰り返しますが、

またもや見事にやられました!!


歌野晶午さんは、いつも秀逸なトリックで私たちを驚かし、楽しませてくれます。

本格のガジェットをふんだんに使った作品も多く、そういった作品群ももちろん大好きです。

しかし「葉桜~」や「ジェシカ~」のように、あくまでも「小説」として読めた上で、そこに「トリック」という素晴らしいスパイスを加えてくれているような作品も、非常に魅力的です。

ま、何はともあれ、この「ジェシカが駆け抜けた七年間について」は紛うかたなき「本格ミステリ」でした。

大満足







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2008/11/01 23:33|・歌野晶午TB:1CM:2

 

アヒルと鴨のコインロッカーアヒルと鴨のコインロッカー
(2008/01/25)
濱田岳 瑛太 関めぐみ

商品詳細を見る
伊坂幸太郎の原作を、濱田岳ら実力派の共演で映像化したミステリー。大学進学のため仙台に越してきた19歳の若者が、謎めいた隣人の青年と出会い……。ボブ・ディランの曲に乗せ、不可思議な友情談が展開していく。

今日はDVDで「アヒルと鴨のコインロッカー」を観ました。

言わずと知れた、伊坂幸太郎の傑作が原作の映画です。

実は私には以前から「原作の小説が面白いほど映画化されると面白くない」という持論(?)がありまして、映画自体は好きで良く観るのですが、面白い小説が原作の映画は、失望するのがイヤで極力観ないようにしていました
(だから「容疑者Xの献身」もなかなか観る気になれない・・。)

ところが最近、偶然にも複数の作家さんの「小説は小説。映画は映画。映画は監督・脚本・役者どれをとっても、それぞれのプロが最高の作品を作ろうとしているはずで、その結果内容が原作と違ってしまっても、それはそれで素晴らしい作品になっているはず」という考え方を知り、少し自分の考えを改めてみる事にしました。

という事で、しばらくはそういう映画も積極的に観てみようと思っています。

しかし原作のストーリーを時間の都合で大幅に省略しただけの映画や、原作の良さがすっかり消えてしまい、ただの陳腐な大衆向け作品になってしまった物など、これまで失望させられた経験が多いのも事実で、さてさて今回の作品は・・・


結論から言えば、非常によく出来ておりました。

つまりいい意味で予想を裏切られ、すごく嬉しかったです

「原作」も「映画」もどちらも面白い作品もちゃんとあるんですね

もちろん100%原作と同じ、という訳にはいきませんので、細かいところで色々違いはありました。

シッポサキマルマリが出てこなかったり、麗子さんが痴漢に立ち向かうシーンが、言葉の通じない外国人を助けるシーンに変わっていたり、と。

ただ一番大きな違いは、琴美が撥ねられるシーンでしょうか。

原作では事故のようになっていたのが、映画では明確な意思を持って犯人はアクセルを踏んだようです。


やはり色々と違いはありましたが、この特殊な仕掛けのある原作を、よくもあそこまで忠実に映画にしたものだと、本当に感心しました。

映像自体はアンフェアと言えなくも無いですが、他に方法も無いでしょうし、何よりこの作品はトリックうんぬんよりもストーリーが大切で、その大切な部分がしっかりと守られていたのが、ファンとして何より嬉しかったです。

原作を読んだ時は終盤で泣いてしまい、今回の映画は事前にストーリーを知っていたにも関わらず、不覚にもまた涙を流してしまいました・・


「映画化」も捨てたものじゃないですね。

これからも、もう少し色々観てみようと思います







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2008/10/30 23:36|・ミステリ映画&ドラマTB:0CM:2

 

このブログは、読んだ本(ほとんどミステリ)を紹介するために作りましたが、実際のところ、朝8:30から夜10:00過ぎまで働いているとなかなか読書の時間が取れません。

と言う事で、読了本が無い時は他の話題でお茶を濁すことにしてみました

これからは時々、映画の話題や書店での出来事・裏話なども書いていこうと思います


で、つい先日の話ですが・・

取引先の銀行から珍しく電話がかかってきました

「店長さん、今日は(売上金の)入金に来られますか?」

「ええ、後ほど伺う予定ですが・・」

「実は・・今日は出金する(お金をおろす)お客様が多くて・・銀行にあるお金が残り少ないんです。もしよかったら早目に入金に来ていただけませんでしょうか?


・・・マジですか!?

銀行から「お金が無くなりそうだから早く入金に来てください。」と言われたのは、さすがに私も初めての経験です。

・・・というか、銀行のお金が無くなるなんて事があるとは、想像もしたことがありません

「え、ええ、じゃあとりあえず今からすぐ行きます」

と返答して早速銀行へGO

いつもは窓口で受付カード(番号札)を取って、順番がまわってくるまで20分ぐらい待つのですが・・さすがにこの日は違います。

一歩銀行に入ると、すぐに奥の窓口(お金持ちの方々が資産運用の相談をしたりするところ)に連れて行かれ、最優先で対応してくれました

いつもそうしてよ・・。

何でも聞くところによると、銀行も普段からなるべく最低限の在庫(お金)しか持たないようにしないといけないらしく「本屋さんと同じですよ」と言われました

まあ、確かにそうですが・・。

ま、「銀行のお金は無くなることもある」という事で、また一ついい勉強(?)になりました







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2008/10/29 23:44|・書店での出来事などTB:0CM:2

 

PLAY プレイ (講談社ノベルス ヤL- 8)PLAY プレイ (講談社ノベルス ヤL- 8)
(2008/09/05)
山口 雅也

商品詳細を見る
ぬいぐるみを偏愛する天才外科医。その愛ゆえにとった行動は(『ぬいのファミリー』)、なぜか猿の物真似をしつづける少年。謎はあるボード・ゲームに隠されていた!(『蛇と梯子』)他二編収録。一度始めるとやめられない、戦慄のゲームが始まる!異色の短篇集、ついにノベルス化。

「遊戯」をテーマにした山口雅也さんの短編集「PLAY」を読みました。

ぬいぐるみ遊びがテーマの「ぬいのファミリー」。

ボード・ゲームがテーマの「蛇と梯子」。

隠れ鬼(私は「かくれんぼ」の方がしっくり来ますが「隠れ鬼」が一般的?)がテーマの「黄昏時に鬼たちは」。

ヴィデオ・ゲームがテーマの「ゲームの終わり/始まり」。

の4篇が収録されています。


「ぬいのファミリー」

ぬいぐるみを偏愛する天才外科医。

仕事が忙しく、妻や娘と上手くいかない主人公を癒してくれるのは、幼いころから慣れ親しんできた「ぬいさん」(←ぬいぐるみ)たちだけ・・。

バラバラになってしまった家族の絆を回復させ、ファミリーをやり直すために彼がとった行動は・・

ミステリではなく、サイコ・ホラーといった趣き。


「蛇と梯子」

転勤先のインドで息子が拾った「蛇と梯子」というボード・ゲーム。

「猿」のマスに止まった息子は、心身ともに猿に変身していきます。

治療法を知っているという精神科医に言われるまま、家族全員でそのボード・ゲームを始める主人公たちですが・・・

奇想というところですが、こちらはミステリ的要素もあり、物語終盤の「リセット」もよかったです


「黄昏時に鬼たちは」

路地裏で発見された死体。

どうやら彼は「隠れ鬼」の最中にトラブルに巻き込まれたようだが・・。

収録作4篇の中では一番「ミステリ」な作品でした。

読者の錯覚を誘い込む、切れ味鋭い好短編。


「ゲームの終わり/始まり」

日常の自分の行動もゲーム感覚で考えるようになってしまった、ゲーム・オタクの少年。

家族に対する日頃の鬱憤を晴らすため、ある日彼は、自分の家族を登場人物にしたカスタム・ゲームを手に入れます。

まるで現実に沿うかのように展開していくゲームですが・・

何となく、綾辻さんの「フリークス」を思い出しました。


山口雅也さんは「生ける屍の死」が面白かったし、この「PLAY」のオビにも「鬼才が描く、衝撃のミステリ短篇集!」と書かれてあったので読んでみたのですが、あまり「ミステリ」という内容ではありませんでした

面白くない訳では無いのですが、あまり「ミステリ」を期待して読むと、少し肩すかしをくらったような気分になるかもしれません。

ただこの4篇には「遊戯」の他にもうひとつ「ダークな共通テーマがある」、という著者の言葉がありましたので、全編読了後に考えてみると・・確かにこの本全体に1羽の不吉な鳥が飛んでいた気がします・・

山口先生、合ってますか?







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2008/10/28 23:02|・山口雅也TB:0CM:0

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