~愛すべき「本格ミステリ」の世界~

プロフィール 

音倉誓示(Otokura Seiji)

Author:音倉誓示(Otokura Seiji)
魅力的な謎。論理的な解決。そして少しの遊び心♪
「本格ミステリ」の魅力が少しでも多くの人に伝わりますように。
元、某地方書店チェーンの店長。
九州在住。

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さて、先日アップした「真面目編」に続いて、「第9回本格ミステリ大賞公開開票式レポート(ミーハー編)」です。


公開開票式&記者会見の詳細なレポートはこちらから→「第9回本格ミステリ大賞公開開票式レポート(真面目編)」。


公開開票式やその後の記者会見はもちろんミステリファンにとって非常に貴重な体験でしたが、それと同じぐらい楽しかったのが、やはり「作家さんたちとの交流」です!

公開開票式が始まるまでの時間や、開票式から記者会見までの休憩時間、厚かましくたくさんの著書を持参した私は次々と名刺(音倉誓示の名刺&本名の書店店長の名刺)を配りつつサインをねだっていきました。

ちなみに作家さんとのツーショット写真は、ほとんど黒田研二さんが撮影してくださいました。

この場を借りて、改めてお礼を言わせて頂きます。

本当にありがとうございましたm(_ _)m


という事で、手当たり次第にサインを頂いたり写真を撮らせて頂いたりしましたので、とりあえず五十音順に紹介させていただきます。
(画像は全てクリックで拡大します)


「芦辺拓さん」

という事でトップバッターはこの方、1990年に「殺人喜劇の13人」で第1回鮎川哲也賞を受賞し、その後も「森江春策シリーズ」を軸に多彩な作品で活躍中の「芦辺拓」さんです。

芦部拓さんと(第9回本格ミステリ大賞公開開票式)

一昨年の3月にピアニストの女性と結婚されたという事で、本当におめでとうございます。

芦辺さん曰く、その前年(2006年)にミステリ界を震撼させた、倉阪鬼一郎さんの突然の結婚の影響を受けたそうです(^^)

芦辺さんにはもちろん「裁判員法廷」にサインを頂きました。
芦部拓さんサイン本(裁判員法廷)

「トリックより他に神はなし」の文字が光ります

芦辺さんが休憩時間に、私と同じく読者当選枠で参加していた「みっつ」さんの本に(確か「グラン・ギニョール城」だったかな)持ち主がいない間に勝手にサインをした時は、その場にいた全員が大爆笑でした(←みっつさんのレポートもご覧くださいませ)。


「綾辻行人さん」

綾辻さんには私の思い出の作品「十角館の殺人」にサインを頂きました(「暗黒館の殺人 限定愛蔵版」とどっちを持っていくか悩んだのですが)。
綾辻行人さんサイン本(十角館の殺人) 059

私は小学校の頃に、図書室で江戸川乱歩やクイーン、クリスティなどの児童向けに書かれた本を読み漁り、中学生の時に赤川次郎、高校生の時に西村京太郎、大学生の時に内田康夫の、当時手に入った作品を全て読破し、社会人になってからはなぜか一時本から離れていた時期もありました。
(と書くと孤独な少年(青年)だったと誤解されそうですが、あくまで部活のサッカーや、サークルのバンド活動やバイクのツーリングの合間に、です。)

しかし書店に転職し、また少しずつ色々な本を読み始めた中で出会ったのが、この「十角館の殺人」でした。

それから6年。

それ以来、今でもただひたすら「本格ミステリ」を読み続けています。

「十角館の殺人」は、私をミステリの世界に連れ戻してくれた(と言うよりは”本格ミステリの世界にいざなってくれた”と言う方が正しいかな)大切な大切な一冊なのです。

とまあ、そこまで詳しい話は綾辻さんにはしませんでしたが「この作品が、私をこんな風に(大のミステリファンに)した犯人です」と言うと、「それは嬉しいなあ」と笑ってくださいました


あっ!

パズルくん(同じく読者参加の高校生)と綾辻さんのツーショット写真は撮ってあげたのに、自分のは撮りそびれてる・・・。


「有栖川有栖さん」

有栖川さんには「女王国の城」にサインを頂きました。
有栖川有栖さんサイン本(女王国の城)

候補作の「密室入門!」も、行きの飛行機の中で読むために持っていたのですが、さすがに2冊は厚かましいかな、と思って「女王国の城」だけお願いしました。

持参したサインペンをお渡ししようとすると、おもむろにマイサインペン(インクはシルバー!)を出されて、すらすらとサインを書いて下さいました。

あこがれの作家さんを前にしてガチガチに固まったまま「めちゃめちゃ緊張してます」と言うと、「緊張なんかせんでええのに」と笑われてしまいました

有栖川有栖さんと(第9回本格ミステリ大賞公開開票式)

サインは開票式の前に頂いたのですが、その後の休憩時間にロビーで写真も撮って頂きました(くろけんさんに)。


あ~、襟元に付けてたピンバッジの事に触れるのを忘れてた~(「有栖川探偵小説事務所」の堀江梨穂さんが作成したアレです)。

有栖川さん、気付いてくれてたかなぁ?


「乾くるみさん」

話題作「イニシエーション・ラブ」が一世を風靡した乾くるみさんです。
乾くるみさんと(第9回本格ミステリ大賞公開開票式)

公開開票式の会場に来たのはいいものの、どうしていいか分からずにおろおろしていた私に最初に声を掛けてくださったのが乾さんでした。

ちなみに「くるみ」という名前のせいもあって、いまだに乾さんを女性だと思っている方も多いようですが・・・・読者の夢を壊してごめんなさい(笑)

サインは「イニシエーション・ラブ」にお願いしました。
乾くるみさんサイン本(イニシエーション・ラブ)

早く他の作品も読まないとっ


「歌野晶午さん」

言わずと知れた、歌野晶午さんです。

私と同じ福岡県出身ですが、同じ福岡県でも私の出身地は歌野さんとは比べ物にならないほどすごい田舎です・・・。

歌野さんには「葉桜の季節に君を想うということ」の単行本にサインを頂きました。
歌野晶午さんサイン本(葉桜の季節に君を想うということ)

発売と同時にすぐ買って読み、まだ話題になる前から「この作品はすごい!」と周りに言ってまわっていたら案の定どんどん話題になっていったという、ちょっと思い出深い1冊です。

「本格」というジャンルに対してどこか少し離れた立ち位置を模索しているようにも見えますが、フェアな描写に細心の注意を払っているその作品群にはいつも感心させられます。


「大倉崇裕さん」

コロンボマニアで知られる大倉崇裕さんです。

サインは、大好きなシリーズ「福家警部補の挨拶」に書いていただきました。
大倉崇裕さんサイン本(福家警部補の挨拶)

「オージロー」(だと思いますたぶん)のイラストがかわいい

大倉さんのブログは毎日のように読ませて頂いているのですが、福家警部補シリーズ最新刊「福家警部補の再訪」のネットサイン本販売が締め切られた事をこのブログで知り、愕然。

東京創元社のメルマガで、いつも好きな作家さんのネットサイン本はいち早く予約するのですが、なぜか4月中旬からメルマガが突然来なくなっており、サイン本の発売を知らないまま受付を締め切られてしまいました・・・・ショック。

まあサインよりも作品の方が大切ですので、素直に自分の店で買います。

「ミステリーズ!」での連載再開の準備もだいぶ進んではいるようですが、中々苦戦しているそうです。

楽しみに待ち続けます。


「太田忠司さん」

狩野俊介シリーズや霞田兄妹シリーズで有名な太田忠司さんです。
太田忠司さんと(第9回本格ミステリ大賞公開開票式)

個人的には、一番最近では「奇談蒐集家」(創元クライム・クラブ)で楽しませていただきました。

プライベートでよく黒田研二さんや未読王さんたちと交流されているようです。

ウェブサイト作成においては、辻真先さんの先輩(?)なのかな。


「加賀美雅之さん」

シャルル・ベルトランシリーズの加賀美雅之さんです。
加賀美雅之さんと(第9回本格ミステリ大賞公開開票式)

「Kappa‐One」で石持浅海さんや東川篤哉さんと同時期にデビューされた作家さんですね。

ご本人に聞いた訳ではありませんが、確か兼業作家さんだったの思うので、少しずつでも新作を発表して下さると嬉しいです。


「北村薫さん」

言わずと知れた「本格ミステリ作家クラブ」現会長、「日常の謎派」の創始者(?)である北村薫さんです。

ちなみにクラブの会長は今度は辻真先さんに交代するようです。

先日文庫になった「ニッポン硬貨の謎」にサインを頂きました。
北村薫さんサイン本(ニッポン硬貨の謎)

猫好きで有名な北村さんだけあって、サインはかわいい猫のイラスト入りでした

写真もお願いしたかったのですが、さすがに常に入れ替わり立ち替わり出版社の方などが話しかけられていて、とうとうタイミングを逸してしまいました


「霧舎巧さん」

「ドッペルゲンガー宮《あかずの扉》研究会流氷館へ」で第12回メフィスト賞を受賞してデビューされた、霧舎巧さんです。
霧舎巧さんと(第9回本格ミステリ大賞公開開票式)

作品はいくつか読んでいますが、肝心の「《あかずの扉》研究会シリーズ」と「私立霧舎学園ミステリ白書シリーズ」が未読という、いやまったく恥ずかしい・・・。

近いうちに一気読みする予定です(自店の棚にも全点揃えました!)。

皆さんラフな格好で集まっている作家さんの中では珍しくネクタイ姿だったのですが、どうやら以前こういう場に着て来ていた私服があまり評判がよくなかったそうで(どんな服だったんだろう・・・)、それ以来いつもこの恰好だそうです。

ちなみに写真の右側にいらっしゃるのは二階堂黎人さん、その後ろは(このあと載せますが)東川篤哉さんです。

どうでもいいですが、霧舎さんの書く字が非常に几帳面なかわいい(?)字だったのが妙に印象に残っています

年齢でもメフィスト賞の受賞年でも黒田研二さんの先輩のはずですが、なぜかくろけんさんに妙にイジられていたのはそういうキャラなのでしょうか?


「黒田研二さん」

と言う事で、その黒田研二さんです。
黒田研二さんと(第9回本格ミステリ大賞公開開票式)

おデコがテカテカしてる・・・・

いやそれはさておき、昨年このブログを始めた時、どうしても「本格ミステリ作家クラブ」のサイトを一番にリンク集に加えたくてクラブの事務局宛にメールを送ったのですが、その時たまたま(?)返事を下さったのがこの黒田研二さんでした。

初めての本物の作家さんからのメールに舞い上がりながらその後も何度かやりとりさせて頂き、今回この公開開票式に応募したのも、くろけんさんに実際にお会いしてみたいというのが大きな動機の一つでした。

実際にお会いしてみると、思っていた通りとても変態とは思えない親切な方で、前述の通り作家さん方の写真やサインをねだる際も色々と助けて頂きました。

心の中では「どうせファンなら若い女性がよかったのに」などと思っていたでしょうが、本当に色々とお世話になりました。

「本格ミステリ」から離れない限りまたいつかお会いする機会もあるかと思いますので、その時はまたどうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m

ちなみに、デビュー作「ウェディング・ドレス」にサインを頂きました。
黒田研二さんサイン本(ウェディング・ドレス)

あのイラストは自画像なのでしょうか?


「柄刀一さん」

今回「ペガサスと一角獣薬局」が候補にあがっていた柄刀一さんです。
柄刀一さんと(第9回本格ミステリ大賞公開開票式)

いつもニコニコしていらっしゃいながらも、なにか「作家の風格」のような物を持っていらっしゃるように感じました。

サインは当然この作品に。
柄刀一さんサイン本(ペガサスと一角獣薬局)

公開開票式の前日ぐらいに読み終えたためまだこの作品の記事をアップできていませんが、これも近々書き終える予定です。


「辻真先(牧薩次)さん」

辻真先さんにはもちろんこの作品(完全恋愛)にサインを頂きました。
牧薩次(辻真先)さんサイン本(完全恋愛)

「辻真先」と「牧薩次」が相合傘に入っている貴重なサインです。

まだ開票式の前でしたので落ち着いて色々とお話をさせて頂く事ができ、私の「音倉誓示」という名前に興味を持って下さったので、由来などを説明させてもらいました。

77歳という年齢を全く感じさせない、ユーモアあふれる、本当に元気な方でした。

「本格ミステリ作家クラブ」の第3代会長に就任される事ですし、今後のますますのご活躍が本当に楽しみです。


「法月綸太郎さん」

本格推理作家としてだけではなく評論家としても活躍されている法月綸太郎さんです。
法月綸太郎さんと(第9回本格ミステリ大賞公開開票式)

「悩める作家」として有名(?)ですが、ゆっくりでいいので、これからも新作を楽しみにしています。


「東川篤哉さん」

「KAPPA-ONE」第1期生の東川篤哉さんです。
東川篤哉さんと(第9回本格ミステリ大賞公開開票式)

ユーモアミステリで人気の作家さんですが、まだほとんどの作品が未読・・・・・本当にごめんなさい。

霧舎さんの未読のシリーズなどと同じで、以前から読みたい読みたいと思いながら結局まだ読めていないという・・・・あぁもっと時間が欲しい。

次にお会いする時までには必ず全作品を読んでおきますm(_ _)m


「道尾秀介さん」

先日、新作「龍神の雨」を上梓された道尾秀介さんです。
道尾秀介さんと(第9回本格ミステリ大賞公開開票式)

「龍神の雨」はまだ読めていませんが、新作のたびに前作を超える作品を発表され、この方は一体どこまで高みに登っていくのでしょうか。

才能、という言葉で簡単に片づけてしまうのは私が非常に嫌う事の一つなのですが、それでもあえて素晴らしい才能の持ち主ではないか、と言いたくなる作家さんです。

関係ありませんが、私のような「男性のミステリファン」がまとわりついている作家さんが多い中で、なぜか道尾さんの周りだけは常に女性の姿が・・・・。


「山口芳宏さん」

「雲上都市の大冒険(「雲上都市の怪事件」から改題)」で第17回鮎川哲也賞を受賞してデビューされた山口芳宏さんです。
山口芳宏さんと(第9回本格ミステリ大賞公開開票式)

昨年の「豪華客船エリス号の大冒険」に続いて、今年も色々と新作の発表予定があるようですので、ますますのご活躍が楽しみです。


「おまけ」

法月綸太郎さん・道尾秀介さん・有栖川有栖さんの3名とご一緒に写らせて頂きました。

法月綸太郎さん・道尾秀介さん・有栖川有栖さんと(第9回本格ミステリ大賞公開開票式)

あまりの出来事に緊張してちっちゃくなっている私の隣で、なぜか私以上にちっちゃくなっている法月さんが印象的でした


という事で、本当にこの日は夢のような一日でした。

本当はあの場にいらっしゃった作家さん全員の全作品を読めていれば良かったのですが、まだまだ未読の作品が多くて恥ずかしい・・・。


しかし、サインよりも写真よりも、自分があの場に居合わせて、しかも色々な作家さんとお話をさせて頂く事が出来たというその貴重な体験こそが、本当にすばらしい財産です。

お相手して下さったミステリ作家の皆様、本当にありがとうございました。

書く側と読む側。

形は違えど、「本格ミステリ」を愛する心は皆様にも負けないつもりです。


ってな感じで、「第9回本格ミステリ大賞公開開票式レポート(ミーハー編)」でした!







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2009/06/01 00:39|第9回本格ミステリ大賞TB:0CM:6

 

2009年5月13日(水)、都内某所にて「第9回本格ミステリ大賞公開開票式」が開催されました。
当日の雰囲気が少しでも正確に伝わるよう順を追って書いていきますが、その前にまずは結果だけ。

すでにご存じかとは思いますが、この日の公開開票式の結果、小説部門は牧薩次さんの「完全恋愛」が、そして評論・研究部門は円堂都司昭さんの「「謎」の解像度」が第9回の受賞作に決定いたしました。
牧薩次(辻真先)先生、円堂都司昭先生、おめでとうございます!
辻先生・円堂先生(第9回本格ミステリ大賞公開開票式)記者会見後

さて、それでは早速公開開票式の模様を。

まずは定刻の午後4時、本格ミステリ作家クラブ北村薫会長の挨拶で、いよいよ「第9回本格ミステリ大賞公開開票式」が幕を開けました。

北村薫会長の挨拶(第9回本格ミステリ大賞公開開票式)←私の前に座っている白いシャツの高校生は作家志望の「パズル」くん。その隣に座っている大学生の彼は、某T大学(って書くとまるで東大みたいですが)のミス研部員だそうです。

北村「え~それでは定刻になりましたので、第9回本格ミステリ大賞、開票の方に移らせて頂きたいと思います。毎回の事になりますが、集まりました物をこちらで改めて確認いたしまして、こちら(スクリーン)に順次結果が出ていくようになります。一応すべての結果が出ましても、その段階でちょっと字数制限など(再度)確認を取りますので、結果が出て、確認を取ってから確定という形になります。はたして今回も力作揃いですが、どのような形になりますか、第9回の本格ミステリ大賞、この場に同席頂きまして、その瞬間を味わっていただければと思います。それではこれより開票に移らせていただきたいと思います」

投票箱が解錠され、中の投票用紙が次々と執行会議の面々(歌野晶午さん、東川篤哉さん、黒田研二さんなど)に渡されていきます。
黒田研二さん(第9回本格ミステリ大賞公開開票式)←真剣な表情で投票用紙の字数チェックをする黒田研二さん。

綾辻「(黒田さんたちの方を見ながら)字数のチェックをしておりまして、それが廻ってきて・・・・・事務局長の特権で、開票結果を読み上げていきます。」

と言っている内に、早速最初の一枚が綾辻事務局長の手に渡されます。
綾辻行人さん(第9回本格ミステリ大賞公開開票式)
綾辻「小説部門、藤岡真さんの投票です。造花の蜜」
といった調子で、部門・会員名・作品名が続々と読み上げられていきます。
ちなみに投票箱には「小説部門」「評論・研究部門」それぞれの投票用紙が一緒に入っていますので、読み上げる(票が入る)順番も、小説部門がしばらく続いたあと突然評論・研究部門が何件か読み上げられ、また小説部門、と完全にアットランダムに同時進行で開票作業が進んでいきます。

各作品の得票結果は下記の通りです(敬称略、読み上げ順)。

小説部門
「完全恋愛/牧薩次」(23票)・・・岸田るり子、佳多山大地、夏来健次、ひらいたかこ、有栖川有栖、斎藤肇、廣澤吉泰、黒田研二、北村薫、伯方雪日、村瀬継弥、光原百合、法月綸太郎、鏑木蓮、獅子宮敏彦、篠田真由美、鯨統一郎、森谷明子、綾辻行人、加賀美雅之、川出正樹、霞流一、我孫子武丸。
「裁判員法廷/芦辺拓」(4票)・・・早見裕司、依井貴裕、大森滋樹、山沢晴雄。
「造花の蜜/連城三紀彦」(13票)・・・藤岡真、白峰良介、氷川透、近藤史恵、渡邉大輔、張麗嫺、諸岡卓真、横井司、門前典之、小森健太朗、神命明、東川篤哉、鷹城宏。
「ペガサスと一角獣薬局/柄刀一」(6票)・・・つづみ綾、歌野晶午、太田忠司、辻真先、蔓葉信博、西澤保彦。
「山魔の如き嗤うもの/三津田信三」(11票)・・・剣持鷹士、円堂都司昭、喜国雅彦、大山誠一郎、二階堂黎人、倉知淳、奥田哲也、千街晶之、深水黎一郎、鳥飼否宇、波多野健。

評論・研究部門
「幻影城の時代 完全版/本多正一編」(7票)・・・夏来健次、諸岡卓真、太田忠司、深水黎一郎、二階堂黎人、奥田哲也、波多野健。
「探偵小説のクリティカル・ターン/限界小説研究会編」(2票)・・・つづみ綾、小森健太朗。
「「謎」の解像度/円堂都司昭」(13票)・・・藤岡真、近藤史恵、氷川透、千野帽子、有栖川有栖、依井貴裕、法月綸太郎、大森滋樹、北村薫、辻真先、鷹城宏、横井司、西澤保彦。
「本格ミステリ・フラッシュバック/千街晶之ほか」(3票)・・・鯨統一郎、廣澤吉泰、村瀬継弥。
「密室入門!/有栖川有栖×安井俊夫」(2票)・・・山沢晴雄、川出正樹。

小説部門では、序盤まず「完全恋愛」が一歩リードしたものの、「造花の蜜」と「山魔の如き嗤うもの」がすぐに追いつき、一時この3作品が横一線に並びました。その後また「完全恋愛」が抜け出し、またまた「造花の蜜」がこれに追い付いたのですが、さらに「完全恋愛」が票を重ね、終わってみれば大差での受賞となりました。
また評論・研究部門では、序盤から「「謎」の解像度」が独走態勢に入り、終盤「幻影城の時代 完全版」が少し追い上げますが届かず、危なげなく円堂都司昭さんの受賞が決まりました。
評論・研究部門の候補作は「密室入門!」しか読めていなかったため意見を言える立場ではありませんが、小説部門の方は、自分にもし投票権があればこれに入れていただろうという「完全恋愛」が見事受賞し、また有栖川有栖・黒田研二・北村薫・法月綸太郎・鯨統一郎・綾辻行人・我孫子武丸といった、自分が好きな作家さんの多くがこの作品に票を投じていたのも嬉しく感じました。


綾辻「という事で、読み上げ終わりました。このあと確認をするんですか?」
北村「え~確認がありますので、それが終わるまで確定ではありませんので、ちょっとお待ちくださいませ」

得票数など、間違いが無いか再度確認作業。

綾辻「はい、確定しました~」
北村「え~、それではただいま票が確定いたしましたので、ご覧の通り第9回本格ミステリ大賞は、小説部門は「完全恋愛」が23票を取りまして受賞。そして評論・研究部門は「「謎」の解像度」が13票を取りまして受賞となりました」

このあと北村会長から、一時間後の午後五時半から記者会見が行われる旨、また授賞式が6月13日(土)に神楽坂の出版クラブ会館で行われ、その翌日には丸善丸の内オアゾの日経セミナールームでトークショーなどのイベントが行われる旨の説明がありました。以下はイベントについての北村薫さんのお話です。

北村「これは本格ミステリ作家クラブの方からこういうことをやっておりまして、出版社の方との会合を持つ中から「賞というものは販促に繋がることがあまり無い」という――その頃はまだ本屋大賞などもなく――なにかこう具体的な事をしたいというのがありまして、こういう催しをこのところ続けております。会場を借りるのにも結構お金が掛かるんですが、その辺りも非常にご考慮いただきまして(笑)、私が司会をやりまして、我々の方からも人を出しまして、毎回非常に面白い催しになっております。我々の方はもちろんノーギャラでやっております(笑)、とにかく多くの方に来て頂いて、そこで本を買っていただきたい!という催しなんです。ぜひ本屋さんに元気になっていただきたい、出版社に元気になっていただきたい、そうすると書く方も元気になる、と。ぜひ本をお好きな方に、多くの方に足を運んでいただきたい。それから、こういう催しをやってるんだという事をぜひ色んな所で広めていただきたい。書店さんにバトンを渡して、一番最初の時は三省堂さん、去年が池袋のジュンク堂さん、これは一つの書店さんでという事じゃなくて、書店さんにバトンを廻していって、みんなで出版を元気にして行こうじゃないか、という催しなんで、多くの方に「こういう事をやってるんだ」と、「本に関わる人達みんな元気になろうじゃないか」という事で6月14日の午後1時から丸の内オアゾで行います。では5時半から記者会見を行いますので、ちょっと間が空きますが、それまでお待ちいただければと思います」

*イベントに関する情報はこちらから→6/14(日)「第9回本格ミステリ大賞受賞記念トークショー」(丸善丸の内本店)
↑(追記)イベントは終了しましたので、リンクは削除しました。


???(←綾辻さんだったかな?)「以上で開票式終了ですね。受賞者の方おめでとうございます!」
(会場、割れんばかりの大拍手につつまれる)


そしてここから記者会見までの一時間は、休憩時間という名の「サイン・交流タイム」です。開票式開始前に引き続き、多くの作家さんとお話をさせていただいたり、持参した著書にサインを頂いたりしましたが、それについては別の記事で(「第9回本格ミステリ大賞公開開票式レポート(ミーハー編)」)。


そして予定通り午後5時半、受賞された牧薩次(辻真先)さん・円堂都司昭さんの記者会見が始まりました。
会見席には北村薫会長、牧薩次(辻真先)さん、円堂都司昭さんの3名が座っています。

司会(←末國さんだったかな?)「では定刻になりましたので、只今から第9回本格ミステリ大賞受賞の記者会見を行います。先ほど16時より公開開票式を開催いたしまして、小説部門が牧薩次さんの「完全恋愛」、評論・研究部門が円堂都司昭さんの「「謎」の解像度」に決定しました。では、まずは受賞されたお二人からお言葉を頂きたいと思います」

辻真先さん(第9回本格ミステリ大賞記者会見)
辻「え~、あの~牧薩次が今日ちょっと忙しいもので(会場爆笑)欠席しておりますので、私が連帯保証人として出て参りました。あの~牧はまだそんなに歳じゃないんですが、僕自身相当な歳なものですから、これが男の花道になるなんて思っていたんですけれどもね、今日も後ろの方でありがたいハッパをかけて頂いて、これ(本格ミステリ大賞)を貰ったからにはこれから書かかにゃいかんという事で、じゃあやっぱりこれをスタート台というつもりで、実は去年アニメの方では文化庁やなんかで3つぐらい賞を貰ったのですが、ところが考えてみますとあれは「昔はよくやったね~ごくろうさんだった、そろそろ選手交代だよポンポン」と肩を叩かれた、そういう賞みたいな気がするんですよ。こちら(本格ミステリ大賞)の方は「今お前現役でとにかくこの程度やってるんだから、これで逃げちゃだめだよ」と、励ましというかお叱りというか、とにかく後ろから背を押された、ドンと前へ行けっ、そういうつもりだと思いますんで、押された先は断崖絶壁かもしれませんけども、せっかくですからもう少し頑張ってみたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いいたします。本格ミステリ、万歳ですね(会場大きな拍手)」

司会「ありがとうございました。続いては円堂さん、よろしくお願いします」

円堂都司昭さん(第9回本格ミステリ大賞記者会見)
円堂「円堂です。大変アガっておりますが、本格ミステリ大賞、今回で第9回という事になりますけれども、第1回の時にですね、私の「小説トリッパー」という雑誌に掲載された「POSシステム上に出現した「J」」っていう清涼院流水について論じた40枚ほどの評論があったんですが、それを候補にしていただきまして、本格的にミステリの評論を書き始めて間もない頃でしたから、その時に候補になったという事が非常に励みになりまして、その時に書いたものも今回の受賞作の中には入っているんですが、その第1回の時に候補になったという所をひとつ出発点としながら頑張ってきたというような感じです。ですので第9回になったこの時点で、改めて本格ミステリ大賞にノミネートされて、受賞できたっていう事が、大変、感激しております。どうも、ありがとうございました(会場大きな拍手)」

*以下の質疑応答には一部「完全恋愛」のネタバレを含みますので、未読の方はご注意くださいませ。

司会「ありがとうございました。それでは会場の方から何かご質問等ありましたら挙手をお願いいたします」

質問者①「あの~、辻先生というか牧先生に伺いたいんですけれども、本来長く使っていらっしゃる「辻」名ではなく、この一作の「牧薩次」で受賞なさったご感想というのはいかがなんでしょうか」

辻「え~、まあ楽屋裏をぶっちゃけてしまえば、マガジンハウスというのはあまりミステリーの方とは関係ないので、たぶんタイトルとしては恋愛の方が座りがいいんじゃないか、更にぶっちゃけて言えば、それで引っかかって間違えて買うお客さんがいるんじゃないか、それでただし、こちらがそれで手を抜いていたのだったらこれは詐欺みたいなものですが、そういう風に馬の前に人参ぶらさげて、でもだったらその人参が美味しくなければいけないんで、で、とにかくこの一本こっきりというのは、まあ今の所これ一本のつもりでおりますから、いろんなあの手この手なんか入れてもおかしくないという事で、辻ではなくてまったく別の人間の牧が書いたと、いう事で書く気分としてはそれなりにリキが入りましたし、でも後半になるとやっぱりどんどん馬脚が現れまして、「Bar蟻巣」とかなんかどっかで聞いたことのあるようなのも出てましたけれども、とにかく最初に今回は辻ではなく牧であろうというつもりになったのは、その辺の所ですね。商売気も多少ありますけれども、そういう形にした事によってかえって今まで自分では書けなかったような物が書けるんじゃないかという。上手くいったかどうかまったく分かりませんけれども、まだ自分でもたいへん曖昧なものもありますけれども、一度はやっておいて良かった実験だろうと思っております」

質問者①「ご自分で、これを形にした事で今まで書けなかった物が書けたかもしれないという事をおっしゃった、それを、こういう風に長い時間という事でみる、その人の一代記みたいなもの、という事でしょうか」

辻「あ、それもありますけど、こういう戦争を絡めて60年70年のスパンの長~いお話というのは、実は完全な純然たるミステリーとは言えないかもしれませんが、冒険小説的なものであるとか、他の形で実は色々とやってはいるんです。いるんですけれども、それが・・・商売になっちゃうな(笑)、あの~「ピーターパンの殺人」というずいぶん昔に出しましたものを手直しして今年中に文庫で出る事になっておりますが、それなんか完全にこれぐらい長~い期間の時間なんですが、やはりそうなりますと「ピーターパンの殺人」というタイトルからしましてもやっぱりミステリーじゃないですか、どう考えても本格ミステリ以外の何物でも無いわけです。その点では「完全恋愛」の場合はこれはラブストーリーとして一応完結というか、出来ましたので、その点では辻真先のままだと何となく面映ゆかったり、照れくさかったり、書けないものが、牧というまったく架空の人間が書いた架空の話という二重に架空なもんだから余計書きやすかったという事はあったかと思っております」

司会者「よろしいでしょうか。その他に何かご質問等はありませんでしょうか」

質問者②「牧薩次イコール辻真先先生、おめでとうございます。推理小説、特に本格ミステリーは犯人を隠したまま進みますんで、人間の内面、人間の存在、どういうものだというのは描きにくいという風に言われますが、こういう形で人生が描けるんだなという感動をいたしました。「完全犯罪」は誰にも気付かれずに完結する犯罪、「完全恋愛」というのは誰にも気付かれる事なく完結する恋愛という、ものすごく、今まで聞いた事もないような発想で、奇想だと思うんですけども、それが次々とトリックを生み出すという小説に舌を巻いたのですが、この「完全恋愛」というコンセプトですね、それが数々のトリックを生んで小説になるべく立ち上がっていったのか、それともそのトリッキーなお話を書こうとしている中で「完全恋愛」というモチーフが途中で浮かんだのか、その辺りの順序がすごく興味があるんですけども、どんな感じだったんでしょうか」

辻「あの~順序でしたら、やっぱり最初にまず「完全恋愛」というのがありました。そこから、今までいくつかミステリーを書いて、あれも書きたいこれも書きたい、でもとても長編を支えるだけの柱にならないなというような、そういう中途半端に放り出していた、そういうネタをこの中に組み込めないかという事で、それで色々と探して、とりあえず3つ、ただし一番最後のだけは・・・・・ネタバレですね(笑)、これはこれで構わないとは思いますけど、これは苦しまぎれです。あそこで編集の人に色々と、これじゃあもう、すぐ分かっちゃうからダメじゃない、と言われちゃって、まったく僕もダメだと思ってました。その通りだと思ったんですけども、じゃあどうしようというんで考えて、ついに、どなたかがネットか何かでお書きになったのでは、これはバカミスではないかと、その通りであります。あれはだから最初トップの場面、これはまあ本当の名前はついに出ませんでしたが、主人公が「究(きわむ)」で、それからもう一人の、女みたいに見せてやっぱり男の双子の「極(きわみ)」なんですけども、このシーンというのはずっと後になって付け加えたわけです。そういう点ではちょっと型が崩れたかな~とは思いますけれども、何とかむりやり嵌め込みました。ですから順番としては完全に「完全恋愛」が先で、そこに嵌め込んでいく3つのお話を、最後のお話は嵌め込みにくくて困りました、そういう事でございます」

質問者②「よく分かりました。どうもありがとうございました」

司会「その他に何かご質問等ありませんでしょうか」

質問者③「円堂さんにお尋ねします。円堂さんは音楽を始めとしてサブカルチャー方面でもずいぶん色んなことをお書きになっていらっしゃるんですけども、そういった仕事と、本格ミステリについて書くことっていうのは、関係・・・あるいは難しさみたいな物がありましたらお伺いしたいのですが」

円堂「え~と、僕の個人的な体験なんですけれども、ミステリーに関しては小さい頃、小学校の低学年ぐらいから江戸川乱歩とか読んでましたけれども、同時代のものを読みだした時期っていうのが、印象に残ってるのが栗本薫の「ぼくらの時代」なんですね。70年代の後半だと思いますが、ちょうどそれと同じ時期にロックを聴き始めまして、栗本薫の「ぼくらの時代」っていうのはバンドをやってる若者たちが主人公で、本の中に色々、レッド・ツェッペリンとか、当時の有名なロックバンドの名前がちらほらと書き込まれていて、そういうのをメモに取りながらロックのLPを探す、みたいな事もしていたんで、僕の中では本格ミステリーとロックと一緒に自分の中に入って来たという感じで、特に違和感が無いというか・・。え~、更に言ってしまうと、ミステリーの評論っていうんではないんですが、同時代の評論という事で最初に読んだのは、栗本薫の別名の中島梓の「文学の輪郭」だったりするんですね。だから評論っていう文化を一緒に摂取したというか、で、その延長上の感覚でやってますんで、自分の中では特に意識しなくても自然とジャンル横断的な考え方をしてしまうというか、捉えてしまう、特定のジャンルを、マニアのような振る舞いは逆に出来ないという体質になっています、はい」

司会「よろしいでしょうか。その他に何かご質問ありませんでしょうか」

質問者①再び?「これはあの、北村さんに伺うのかもしれませんけれども、それぞれお二方の作品の良いと思われた点などを教えていただければと・・、あの北村さんじゃなくても投票された方どなたかでもいいんですけれども、選ばれた理由など伺えればと思いまして」

北村「それは~漠然的に言われてもあれなんですが、私の意見、という事でよろしければ・・・私自身が「完全恋愛」というものを読んでいって、本当に99.9%まで読んだ時は「山魔」に入れようかと思っていたんですけれども(笑)、一番最後の所で本当に驚きまして、本格ミステリーというのはやはりこういう事が出来るのか、こういう風にトリックと言いますかね、そこの所が物語という事に繋がっていくのかと、いう点で非常に感銘を受けました。何より最後で、あの~もうこの歳になって若い頃から本格を読んでると、まぁ~驚くって事はまず無いんですよね(笑)。ですけども、あまり構えた読み方を、つまり本格として構えた読み方をさせない、というのが、要するにまあそれだけ普通小説として読んだという事なんですかね。こちらがだから身構えていない所をいきなり投げられたと、いう感じがして、そこの所が非常に新鮮でした。本格ってやっぱりこういう事が出来るのかと、いう風な事の、そういう点を非常に評価いたしました。円堂さんの作品の場合は本当に非常に長い時間に渡る、丹念に作られた、思索の深いものをこれだけまとめられたと。こちらから逆に聞きたいとすると、長いスタンスで書かれた物をまとめると、小説はまあその時点でそう書いたという事なんですが、何かこう、あの時はああ書いたけど今となれば、でもあの時の思考だからこれはまあここでこの通りにまとめよう、というような、今となれば、という風なその書いている評論家自体の思考の変化と、それから長期の物を一冊にまとめるという事はどうなのかという所、とかそのへんちょっと」

円堂「そうですね、昔の文章に関してはやっぱり今とは微妙に文体とかが違っていて、それこそあの、ある言葉を漢字で書くか平仮名で書くかみたいな事も昔と今では感覚が違っていたりするんで、そこらへんは文章の手直しをして、今のテンポにするというような事をしたんですね。で、基本的な自分の考え方っていうのはあんまり変わってないんです、たぶん。って言うのは、自分で意識的にしたことなんですけれども、この評論の中ではサンプリングとかリミックスとか、音楽の方でもポピュラーな手法について言及している、サンプリング・リミックスというような観点から本格ミステリを読んでみる、というような事をしてるんですが、そういった事っていうのは音楽雑誌に書く原稿でも書いてきた事で、実は最初にミステリの評論を書くよりもはるか前に音楽雑誌で書いた文章を自分でサンプリングして使ってみるとか、20年前ぐらいの大学時代に書いた文章をあえてサンプリングして使ってみるとかっていう事もしてるんですね。そういう意味では、それこそ大学生の頃から基本的な物の見方とかいうのはあんまり変わってないのかもしれない、それで基本線は変わらないけれども肉付けを変えていくというような形ですね、自分の中では、はい。これで答になるでしょうか」

司会「会場の方から、他に何かありますでしょうか」

質問者④「牧薩次さん、おめでとうございます。昔から薩次とキリコの愛読者であった人間としては、チラッと今回出てきてましたが、キリコの活躍は今後考えておられるのでしょうか、というミーハーな質問をしたいと思います(笑)」

辻「あの~、大変あの人も怒ってますんで(笑)、どうして自分をもっと出さないのかと、こないだNHKのドラマ(←「探偵Xからの挑戦状!」ですね)にはほんのちょっぴりだけ出しましたけれども、あの~いま一応予定しておりますのでは、あの人もね~かなり歳になったんですが、この辺で出産をいたします。子供をこしらえるんです。それからわたくしあの、今回のアレなんか、あの山魔みたいな三津田さんみたいなああいうのも書きたいんですよ。でも完全恋愛ではああいうのは絶対書けませんよね。だから今度はもう、一応仮題では「戯作(げさく)・誕生殺人事件」という恐ろしく矛盾した話ですけれどもね、それを仮題という事で、これがたぶんキリコの最後の、うまく生まれるかどうかというね、そういう話になりますので・・・」

質問者④「名義はどうなるんですか?発表の名義は」

辻「え?これはもう辻真先しかしょうがないんです(笑)。と言うのがね、あの~牧くん本人がいないんですよ、肝心なね~、自分の愛妻が子供が生まれるという時に他に仕事があってね、だもんですから、それで、いやあの予定日はもっと後だったんですが、それがいろいろとその真犯人が現れてですね、それで陣痛になってという事になるんで、それで現場に立ち会ってない牧薩次が書いたらこれはやっぱり奥さん石を投げますよ(笑)。だからこれはわたくしが書くという事になると思っております」

質問者④「ありがとうございます」

司会「よろしいですか。会場の方から他にございませんでしょうか。では最後に北村会長の方から連絡事項がありますんで」

という事で、このあと北村会長から再度、授賞式の翌日の6月14日に丸善丸の内本店の日経セミナールームで、今回受賞のお二方と有栖川有栖さん・黒田研二さん、そして北村会長の計5名でのトークショー(先着100名)が開催されるので、ぜひ参加して頂きたいというお話がありました。

その後、司会者の締めの言葉と会場からの大きな拍手に続き、受賞されたお二方の記念撮影で記者会見が締めくくられました。



いや~とにかく最初から最後まで夢のような体験でした。芥川賞でも直木賞でもなく、本屋大賞でもなく、この「本格ミステリ大賞」という、ミステリファンにとって最高峰の賞が決定する、まさにその瞬間に立ち会えたという幸せ。そして、別世界の住人のように感じていた数々の作家さんたちが目の前にいて、快くサインも頂き、気さくに色々なお話が出来たという幸せ。そして何より忘れてはいけないのが、自分と同じように本格ミステリを愛し、このジャンルを盛りたてていこうとしている読者の皆様に出会えた幸せ(中には私のこのブログを知っている方も数名いらっしゃって驚きました)。

来年はどの作家さんが、そしてどんな作品がこの素晴らしい栄誉を手にするのか今から楽しみですが、これからまた一年間、まだ出会っていない未読の傑作たちとの邂逅を楽しみながら、つらつらと感想を綴っていこうと思います。

長いレポートとなりましたが、最後までお読み頂きありがとうございました。

これからもどうか、素晴らしい作家さん、素晴らしい本格ミステリ、素晴らしい読者の方々とたくさん出会えますように。







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2009/05/21 23:45|第9回本格ミステリ大賞TB:0CM:8

 

ようやく記事を書き始めました。


が、まだ完成には日数がかかると思いますので、いましばらくお待ちくださいませm(_ _)m




 ・開票式と記者会見の詳細なレポート「第9回本格ミステリ大賞公開開票式レポート(真面目編)」(5/23完成)

 ・作家さんたちのサインと写真がいっぱい「第9回本格ミステリ大賞公開開票式レポート(ミーハー編)」(6/1完成)

 ・開票式の前に寄ってきました→「旧江戸川乱歩邸見学」(6/6完成)



こんな感じで書いている最中です(^^)

↑(追記)6/6にようやく全ての記事のアップが終わりました。






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2009/05/18 01:47|第9回本格ミステリ大賞TB:0CM:2

 

さきほど「第9回本格ミステリ大賞」が決定致しました!


小説部門の大賞は

牧薩次(辻真先)さんの「完全恋愛」。


評論・研究部門は

円堂都司昭さんの「「謎」の解像度」。

です!


おめでとうございます!


詳細は後日。
2009/05/13 16:27|第9回本格ミステリ大賞TB:0CM:6

 

いよいよ水曜日に迫った「第9回本格ミステリ大賞公開開票式」。

5/13(水)16:00、都内某所(別に伏せなくてもいいのかもしれませんが・・)で行われます。


今年の候補作は、以下の通り。

「小説部門」候補作

 「完全恋愛/牧薩次」(マガジンハウス)

 「裁判員法廷/芦辺拓」(文藝春秋)

 「造花の蜜/連城三紀彦」(角川春樹事務所)

 「ペガサスと一角獣薬局/柄刀一」(光文社)

 「山魔の如き嗤うもの/三津田信三」(原書房)


「評論・研究部門」候補作

 「幻影城の時代 完全版/本多正一編」(講談社)

 「探偵小説のクリティカル・ターン/限界小説研究会編」(南雲堂)

 「「謎」の解像度/円堂都司昭」(光文社)

 「本格ミステリ・フラッシュバック/千街晶之ほか」(東京創元社)

 「密室入門!/有栖川有栖×安井俊夫」(メディアファクトリー)


何とか、小説部門の候補作は全て読み終えました(「ペガサスと一角獣薬局」の記事がまだ書けていませんが)。

あとは行きの飛行機の中で「密室入門!」でも読もうかと思っています。



明日は朝からいつも通り仕事をした後、夜のうちに、いま住んでいるド田舎よりは多少空港に近い実家へ移動。

そして当日は某空港から日帰りで東京に行ってきます。

その翌日は終日会議と飲みが控えていたりしますので、ブログの更新は少し滞ると思います。



ただ「石田黙のある部屋」(探偵Xからの挑戦状!第7回)の推理投票や、「第9回本格ミステリ大賞」の受賞作などは携帯から簡単にアップしようと思っていますので、興味のある方はどうぞご覧下さいませ。


週末からは「第9回本格ミステリ大賞公開開票式」のレポート記事の作成に入りますが、いったい何日かかることやら・・・・ま、頑張ります♪


では








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2009/05/12 01:16|第9回本格ミステリ大賞TB:0CM:6

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