~愛すべき「本格ミステリ」の世界~

プロフィール 

音倉誓示(Otokura Seiji)

Author:音倉誓示(Otokura Seiji)
魅力的な謎。論理的な解決。そして少しの遊び心♪
「本格ミステリ」の魅力が少しでも多くの人に伝わりますように。
元、某地方書店チェーンの店長。
九州在住。

FC2カウンター 

最新記事 

カテゴリ 

月別アーカイブ 

RSSリンクの表示 

メールはこちらから 

名前:
メール:
件名:
本文:

ホーム 全記事一覧 << 前ページ 次ページ >>

 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--/--/-- --:--|スポンサー広告

 

双頭の悪魔 (創元推理文庫)双頭の悪魔 (創元推理文庫)
(1999/04)
有栖川 有栖

商品詳細を見る
他人を寄せつけず奥深い山で芸術家たちが創作に没頭する木更村に迷い込んだまま、マリアが戻ってこない。救援に向かった英都大学推理研の一行は、大雨のなか木更村への潜入を図る。江神二郎は接触に成功するが、ほどなく橋が濁流に呑まれて交通が途絶。川の両側に分断された木更村の江神・マリアと夏森村のアリスたち、双方が殺人事件に巻き込まれ、各々の真相究明が始まる…。


これぞ本格推理!

と、心の底から声を大にして言える作品でした。

読んだ後に「面白かった」と思える作品は数多くあれど、「出会えた事を幸せに思える」ほどの作品はそうめったに無いのではないでしょうか。

今回は、ある事情から江神先輩はアリス達と離れ離れになってしまいます。

そしてそれぞれの場所で起こる殺人。

江神先輩はいつもの鮮やかな推理で、そしてアリスは望月先輩や織田先輩と一緒に試行錯誤を繰り返しながら、それぞれの事件に立ち向かいます。

作中に「読者への挑戦」が3回!!

前代未聞です。

ちなみに私は3回とも、その時点では分かりませんでした(少し読み進めて、ヒントが増えた時点で何とか分かりましたが・・)。

第1の事件とその犯人。

第2の事件とその犯人。

そして事件全体を貫くある構図・・。

素晴らしすぎます。


さて、私の有栖川有栖溺愛ぶりばかり書いてもアレなので少し真面目に書きますが、今回も前2作と同じくクローズド・サークルものです。

いつものように、ある時はさりげなく、またある時は事件解決のためのデータとしてはっきりと、いたるところにちりばめられた数々の伏線。

そしてこれまたいつものように、あくまでフェアに、そしてロジカルにそれらが収束され、事件は解決に向かいます。

それはそれは憎らしいほど鮮やかに!


巻末の解説で巽昌章さんが、「登場人物の個性や心情を描くあまり、謎の提示が少し遅かった」(あくまでこの作品を最大限褒めちぎった上で、欲を言うならという話ですが)という意味合いの事を書いていますが、私はそうは思いません。

孤島パズル」の感想でも書きましたが、これこそが「有栖川有栖」の魅力だと思うからです。

有栖川有栖の書く本格ミステリは論理的です。

さすが和製エラリィ・クイーンと呼ばれるだけあると思います。

ただし同時に、有栖川有栖の書く本格ミステリは詩的で、抒情的で、ユーモアも多いですが憂いを含むことも多々あります。

この「人間くささ」が私にはたまりません。

・・・あ、結局溺愛っぷりの上書きになりました

すみません


作品の細かい内容に触れながら色々な感想など書きたいのですが、そうしようとするとどうしてもネタバレを含んでしまい、中々難しいです・・。

ネタバレを含む部分だけ別ページに書いてもいいのですが、万が一未読の方が誘惑に負けてクリックしてしまった時の事を考えると、あまり気が進みません・・。

考えすぎですかね

この作品を読みながら、終盤、真相のヴェールが1枚1枚剥がれていく瞬間、何度鳥肌が立ったか分かりません。

まさにミステリ読みにとって、至福の瞬間でした。

1人でも多くの本好きの方にこのような体験をして頂きたいというのが、このブログを始めた1番の理由ですし、もし私がこの作品を読む前に誰かに内容の一部でもバラされていたら、間違いなくその人物に殺意を抱いていたでしょう(実行に移す時は周りに名探偵がいないか確かめてからにしますが)。

ということで、今回は(今回も?)いかに有栖川有栖作品が素晴らしいか、という話にとどめておきます

未読の方は、ぜひ読んでみて下さい。

既読の方は、どの辺りでアレが分かった!など教えて頂けると嬉しいです。

それではまた







皆様の応援がブログ更新の励みになります(^^)
よろしければ、お帰り前に応援クリックして頂けるとめっちゃ嬉しいです!!
 ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓ 
  にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

「謎と論理と遊び心」トップへ


2008/09/24 23:05|・有栖川有栖TB:0CM:0

 

今日も忙しく、ようやく第7章まで読み終えました。

あぁ、1日に3冊読めてた大学時代が懐かしい・・。

ついに第1の事件、そして第2の事件が起こりました。

まだまだ手がかりは少なく、真相は遥か彼方に。

私は無事に「読者への挑戦」に応えられるでしょうか


こんな更新ばかりですみませんm(_ _)m







皆様の応援がブログ更新の励みになります(^^)
よろしければ、お帰り前に応援クリックして頂けるとめっちゃ嬉しいです!!
 ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓ 
  にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

ホームへ


2008/09/22 23:13|・有栖川有栖TB:0CM:0

 

読み始めました「双頭の悪魔」!

とはいうものの、全17章の物語のうち今日読めたのは2章までですが

やっぱりマリアはまだあの事件(「孤島パズル」)から立ち直ってなかったんですね・・。

それにしても舞台が四国とは意外でした。

大学時代に西日本をぐるっとツーリングしたことがあります。

その時にここに出てくる大歩危(「おおぼけ」と読みます)も通って、四国4県を廻りました。

高知県出身の大学の後輩の家に泊めてもらって、カツオのたたきをごちそうになり、これがもう絶品で・・。

関係ないですね、すみません


まだ事件は起こっておりませんので、また今から続きを読みます。

ではまた後日







皆様の応援がブログ更新の励みになります(^^)
よろしければ、お帰り前に応援クリックして頂けるとめっちゃ嬉しいです!!
 ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓ 
  にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

ホームへ


2008/09/21 23:06|・有栖川有栖TB:0CM:0

 

孤島パズル (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)孤島パズル (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)
(1996/08)
有栖川 有栖

商品詳細を見る
紅一点会員のマリアが提供した“余りに推理研的な”夏休み―旅費稼ぎのバイトに憂き身をやつし、江神部長以下三名、宝捜しパズルに挑むべく赴いた南海の孤島。バカンスに集う男女、わけありの三年前、連絡船の再来は五日後。第一夜は平穏裏に更けるが、折しも嵐の第二夜、漠とした不安感は唐突に痛ましい現実へと形を変える。晨星落々、青空に陽光が戻っても心は晴れない…。



今日は有栖川有栖の「学生アリス(江神二郎)シリーズ」第2作目、「孤島パズル」を読み終えました。

先日1作目の「月光ゲーム」を読んでから、すぐ2作目に移るつもりだったのですが、いつもの悪い癖でずいぶんと他の本に寄り道をしたため遅くなってしまいました・・。

毎日何百冊もの新刊を扱ったり、何万冊も並んでいる売場を眺めているとどうしても「読んで~」という声に負けてふらふら~っと色んな本に手を出してしまうんですよね

でもそのおかげで湊かなえさんの「告白」(双葉社)のような大当たりの作品にも出会えたし、三津田信三さんの作品は評判通りの面白さだということが分かって、中々充実した寄り道でした。

さて話を「孤島パズル」に戻しますが、タイトル通り作品全体にパズルがモチーフとしてちりばめられており、まさに私の大好物のロジカルな本格推理ど真ん中!というのが率直な感想ですが、やはりそれだけではないのが有栖川有栖の素晴らしい所だと思います。

私はいわゆるパズラーと呼ばれる作品や作家さんは大好きなのですが、そういう作品(&作家)は時にミステリ好きではない人たちから「人物が描けてない」などという批判を受けることがあります。

上質な知的遊戯に対してくだらないツッコミはやめて欲しい、そんな批判をするぐらいなら芥川賞受賞作でも(もしくはいっそのことキャラクター小説でも)一生読んでいて下さい、というのが私の基本スタンスですが(決して芥川賞を批判しているのではなく、あくまでジャンルが違うという意味です、念のため)、時にはそんな方々に、「じゃあ有栖川有栖を読んでみたら」と言いたくなることがあります。

作品の中ほどで、アリスとマリアがボートに乗って夜の海に漕ぎだします。

またそのあと、停めてある自転車に跨ったまま2人が語り明かす場面もありますが、どちらも、全編にちりばめられた、事件の謎を解くための数多くの伏線の一つになります。

ですが、決してそのためだけの(極端に言えば探偵が犯人を特定するためだけの)シーンにならないのが、やはり有栖川有栖なのだと思います。

中原中也の詩もそうですが、上述の表現を使うなら「人物が描けている」本格推理作家が有栖川有栖ではないでしょうか。

本当に文学的な、そして詩的なミステリ作家だと思います。


蛇足を承知で引用すると、

  青空に銃声が響いた。
  この日、この時間に銃声が轟くことは、遥かな昔から定められていたに違いない。
  いまひと度の銃声。
  僕の胸の中で、何かが救いなく砕け散った。
  (第5章より引用)

このような表現に、ファンとしては思わずシビれてしまう訳です。


また話は変わりますが、今まで読んだ数々のミステリ作品には色々な探偵が登場しました。

天才的な閃きを持つ探偵、地道にコツコツと調査を続け推理を積み上げていく探偵、破天荒な探偵、シャイな探偵・・。

それこそ作家の数だけ色々な探偵が存在すると思いますが、この「江神二郎」(そして「火村英生」も)に関して言えば、なぜか、悲しさを帯びた探偵というイメージが頭に浮かんできてしまいます。

何かに駆られるように犯罪者を狩り続ける火村英生

そして巻末の光原百合さんの言葉を借りるなら、懸命に死の呪縛と闘う江神二郎

この2人が犯人を追いつめた時に、なぜか痛々しさを伴った感情が浮かんでくるのは私だけでしょうか・・。



さて、次はいよいよ「双頭の悪魔」です(厚いんですよね・・)。

そしてその次には「女王国の城」が私を待っています!

おまけに「作家アリス(火村英生)シリーズ」の最新作も発売間近です!

誰か私に時間を下さい・・







皆様の応援がブログ更新の励みになります(^^)
よろしければ、お帰り前に応援クリックして頂けるとめっちゃ嬉しいです!!
 ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓ 
  にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

ホームへ


2008/09/20 23:47|・有栖川有栖TB:0CM:0

 

月光ゲーム―Yの悲劇’88 (創元推理文庫)月光ゲーム―Yの悲劇’88 (創元推理文庫)
(1994/07)
有栖川 有栖

商品詳細を見る
夏合宿のために矢吹山のキャンプ場へやってきた英都大学推理小説研究会の面々―江神部長や有栖川有栖らの一行を、予想だにしない事態が待ち構えていた。矢吹山が噴火し、偶然一緒になった三グループの学生たちは、一瞬にして陸の孤島と化したキャンプ場に閉じ込められてしまったのだ。その極限状況の中、まるで月の魔力に誘われでもしたように出没する殺人鬼。その魔の手にかかり、ひとり、またひとりとキャンプ仲間が殺されていく…。いったい犯人は誰なのか。そして、現場に遺されたyの意味するものは何。

今日は会議のためあまり読書の時間が取れませんでしたが、何とか読み終えました(別に普段仕事をサボって読んでる訳じゃないですよ)。

今まで数多くの有栖川作品を読んできましたが、なぜか「江神二郎学生アリス)シリーズ」はまだ未読で、今回ついに念願叶った!って感じです。

高校2年生の時に書いた作品を、改稿を繰り返してこの形になったとのことですが、確かに文章が若い!

最近の作品に比べて著者の本格ミステリマニアっぷりがストレートに作品に出ている気がして、それはそれで何か嬉しい気がしました。

クローズド・サークルにダイイング・メッセージなど、思わす涎が出そうな本格のエッセンスが詰め込まれていて、それでいて月にまつわる幻想的な雰囲気や大学生らしい恋愛など、17年前の作品ながら、今と変わらぬ有栖川有栖らしい1作だなと思いました。

火村英生シリーズ」は今のところ全て読破しているので、こちらも早く「女王国の城」にたどり着かねば・・・。

余談ですが、「作家アリス」が書いているのが「江神二郎学生アリス)シリーズ」で、「学生アリス」が書いているのが「火村英生(作家アリス)シリーズ」っていうパラレルな関係、知ってました?







皆様の応援がブログ更新の励みになります(^^)
よろしければ、お帰り前に応援クリックして頂けるとめっちゃ嬉しいです!!
 ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓ 
  にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

「謎と論理と遊び心」トップへ


2008/09/11 23:35|・有栖川有栖TB:0CM:0

ホーム 全記事一覧 << 前ページ 次ページ >>

ブログ内検索 

リンク 

このブログをリンクに追加する

読書ログ 

音倉誓示のつぶやき 

    follow me on Twitter

    最新コメント 

    最新トラックバック 

    Copyright(C) 2006 謎と論理と遊び心 All Rights Reserved.
    Powered by FC2ブログ. template designed by 遥かなるわらしべ長者への挑戦.
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。