~愛すべき「本格ミステリ」の世界~

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音倉誓示(Otokura Seiji)

Author:音倉誓示(Otokura Seiji)
魅力的な謎。論理的な解決。そして少しの遊び心♪
「本格ミステリ」の魅力が少しでも多くの人に伝わりますように。
元、某地方書店チェーンの店長。
九州在住。

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白銀荘の殺人鬼 (光文社文庫)白銀荘の殺人鬼 (光文社文庫)
(2004/02/10)
愛川 晶 二階堂 黎人

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スキー客で賑わうペンション「白銀荘」。そこに血腥い殺人鬼の匂いを纏った客が紛れ込んだ。多重人格症に悩む彼女は、ある目的を果たすため、連続殺人をもくろんでいた。おりしも、豪雪により白銀荘は外界と遮断された密室状態に!そして、相次ぐ殺人―。さらなる悪夢が。今、血の惨劇の幕が開く!本格推理の鬼才二人によるサイコ・ミステリーの傑作、登場。

先日、くろけん(黒田研二)さんと二階堂黎人さんの合作シリーズである「Killer X 3部作」の3作目、「永遠の館の殺人」が文庫(光文社文庫)になりました。

シリーズ1作目である「Killer X(キラー・エックス)」は、2001年11月に光文社カッパ・ノベルスから「クイーン兄弟」という名義で刊行され、当時はこの「クイーン兄弟」が何者か、という著者当てクイズも話題になりました(本格ミステリ作家2人の合作であることは明かされていました)。

その後、シリーズ2作目「千年岳の殺人鬼」、3作目「永遠の館の殺人」が発表され、全3作の完結となりました。

ただこの3部作より前に、同じく二階堂黎人さんが愛川晶さんと合作し、「彩胡ジュン」名義で発表した「白銀荘の殺人鬼」という作品(この時も著者当てクイズあり)があり、この作品の登場人物の一部や作品世界が「Killer Xシリーズ」と共通しているため、まずは「Killer Xシリーズ第ゼロ作」とも言える、この「白銀荘の殺人鬼」から読み返してみました。

ちなみに二階堂黎人さんのウェブサイトを見た限りでは、「Killer Xシリーズ3部作」にこの「白銀荘の殺人鬼」を加えて「スキー・サイコ・シリーズ4部作」とも呼べるようです。


主人公は「立脇順一」・・・の中にいる別の人格「美奈子」。

設定からして著者名通り「Psycho(サイコ)」(=彩胡)ですね。

美奈子は、同じく順一の中の別人格である「晴代」と共謀して、ホスト人格である順一を消し去り、自分がこの肉体のホスト人格になろうと目論みます。

その計画とは、美奈子と晴代で残虐な大量殺人を起こし、その直後に気の弱い順一の人格を表に出してショックで心の奥へ追いやり、二度と順一の人格が表に出ないようにする、というもの(このあたりの動機と方法については多少無理があるような気がしないでもありませんが・・)。

ちなみに順一は、美奈子や晴代の人格が表に出ている時は意識がありません。

美奈子は、順一の行動などは全て把握していますが、晴代が表に出た時だけ同じように意識を失います。

晴代は、どの人格が表に出ていても全ての行動を把握しています。

ということで、もちろんこれが一つの鍵になります。


妻・娘と3人で、福島の「磐梯リゾートスキー場」にスキーに来た順一。

白銀荘というペンションに宿泊するのですが、美奈子と晴代はこのペンションでついに計画を実行に移すことにします。

このペンションに居合わせたのは、お互いネットで知り合ったという若い女性の3人組や建設会社の社員旅行らしき4人組、ペンションのオーナー夫婦とスタッフである若い男女2名など。

運良く大雪のためペンションは孤立し、美奈子はいよいよ大量殺人を実行に移します。

しかし、美奈子が次々とスタッフや宿泊客を殺害している合間にも時々晴代が表に出てきて、美奈子はそのつど意識を失ってしまいます。

そしてその後には決まって身に覚えのない死体が。

晴代も殺人を楽しんでいるのか、はたまた美奈子と殺害人数を競っているのか・・。


私がこの作品を初めて読んだのは今から4~5年前だったと思いますが、さすがに一番メインのトリック(初読時はまったく予測できずに衝撃を受けた覚えがあります)は覚えていました。

ですので再読の今回は細かい伏線などにも注意しながらじっくり読めました。

さすがに熟練のお二人、あちこちに丁寧な伏線が張られています。

しかし、初読時は本格ミステリを読み漁り始めて間もない頃だったので、この作品には非常に衝撃を受けましたが、あれから4~5年、ひたすら本格ミステリばかりを読んできた今になると、この密室のトリックには特に感動もなく、また「首無しの死体」はやはり先を読んでしまいます(もちろんのこ作品に関しては「再読」というのが一番大きな理由ですが)。

ただ、お二人の「読者に対して伏線をフェアに張る」姿勢には感銘を受けます。

やはりこの「読者に対してフェアである」という部分が、本格ミステリの魅力であり、美点だと思います。


ちなみに私は基本的に叙述トリックは好物ですので、多少のあざとい表現も許容範囲内です。


しかし、プロ作家同士の「合作」というのは楽しそうではあるものの、それ以上に難しい部分が多いのではないか、という気がしますが実際はどうなのでしょう?







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2009/01/30 00:08|「Killer X」シリーズTB:0CM:0

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