~愛すべき「本格ミステリ」の世界~

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音倉誓示(Otokura Seiji)

Author:音倉誓示(Otokura Seiji)
魅力的な謎。論理的な解決。そして少しの遊び心♪
「本格ミステリ」の魅力が少しでも多くの人に伝わりますように。
元、某地方書店チェーンの店長。
九州在住。

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(2008/11/13)
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「オリエント急行殺人事件」に続きオールスター・キャストで映画化されたアガサ・クリスティのミステリ。原作は『ナイルに死す』。美貌と聡明さを兼ね備えた上、つい最近莫大な遺産を相続したリネット・リッジウェイは、親友ジャクリーンの婚約者と突然婚約をし、人目を避けてエジプトへハネムーンに旅立った。壮大なエジプトの景色を背景に、物語中バラバラになっていた様々な謎が最後には全て一本の線で結ばれるという、クリスティ推理劇の醍醐味が存分に堪能出来る推理映画の傑作。D・ニーヴンを始め、M・ファロー、J・バーキン、O・ハッセー、J・ウォーデンらの素晴らしい役者陣に加え、ポアロ役のP・ユスティノフの演技が絶品! 文句のない第一級の推理映画。

今日は、数多のクリスティ映画の中でも最高傑作の誉れ高い「ナイル殺人事件」(原作小説のタイトルは「ナイルに死す」)を観ました。

1978年に劇場公開された作品で、ちなみに私は原作は未読です。


エジプトで新婚旅行中の、美貌の富豪令嬢リネットと、その夫であるサイモン・ドイル。

しかし、その幸せに満ちた2人の新婚旅行に、リネットの親友でありサイモンの元婚約者だったジャッキー(ジャクリーン)が、ストーカーの如く執拗に付きまといます。

親友に婚約者を奪われて半狂乱のジャッキー。

「時々これをあの女(リネット)の頭に突きつけてやりたくなる」と、22口径の小型拳銃をバッグに忍ばせています。

そして舞台は、ナイル河を下る豪華客船カルナック号へ。

この船に乗り合わせたのは、”ベルギー”の名探偵「エルキュール・ポアロ」を始め、クセのある人物ばかり。

ある夜、船上のサロンで、酔っ払ってサイモンに絡んでいたジャッキーは、とうとうその小型拳銃でサイモンの足を撃って重傷を負わせてしまいます。

歩けないほどの重傷を負ったサイモンは、治療を受けるため医師の部屋に泊まります。

そしてその翌朝、自室で頭を撃ち抜かれて死んでいる富豪令嬢リネットの姿が発見され、そのかたわらには血で書かれた「J」のダイイングメッセージが・・。

しかし、サイモンを撃った後に一晩中元看護婦の監視下にあったジャッキーには、リネット殺しは不可能なはず。


しかもその船に乗り合わせた他の乗客は、

  妻子ある男性との恋を邪魔された上、5年間奉仕した給金も貰えず辞める事も許可して貰えない、リネットのメイドのルイーズ。

  リネットの管財人でありながら、その財産を不正に使用していた事をもみ消そうとしている、叔父で弁護士のアンドリュー・ペニントン。

  リネットの貴重な真珠のネックレスを何とか手に入れたいと狙っていた、宝石狂いの富豪貴婦人ヴァンスカイラー。

  ヴァンスカイラー夫人の付添人であり、過去にリネットの父親により自分の一家が破産に追い込まれた事を今でも恨んでいる、元看護婦のバウワース。

  煽情的な恋愛小説を書く女流作家で、リネットをモデルにした「色情狂のメスヒヒ」が登場する作品を名誉棄損でリネットから訴えられ巨額な賠償金を請求される事になっていた、サロメ・オッターブルン。

  その娘であり、何とか母を破産から救いたいと思っていた、ロザリー。

  莫大な富を相続したリネットを「ヒルの様に貪欲な、社会にはびこる寄生虫」と揶揄し、「見せしめにバラされるべき」と語っていた、ジム・ファーガソン。

  過去に、リネットの友人を治療と称して廃人にしてしまい、自身の研究所の悪評をリネットに言い振らされて恨んでいる、ドイツ人医師のベスナー。

これらの人物たちはそれぞれに動機があり、また犯行も可能だったという状況で、なんと全員が容疑者となってしまいます。


この船の支配人から、船上での捜査権を委任されたレイス大佐と共に犯人探しを始めるポアロですが、何と、第2・第3の殺人も起こってしまいます。


終盤、犯人が誰なのか確信したポアロが「どうぞ皆さんサロンへお集まりください。全てが明らかになります。」と言うシーンは、ミステリお決まりのパターンだからこそ、嬉しくて鳥肌が立ちました。

関係者を一同に集めて名探偵が推理を披露する!

やっぱりこれですよね!

「紳士淑女の皆様」で始まる、ポワロの名推理。

結末は、どうぞご自分の目でお確かめくださいませ。


この映画は、そのストーリーの素晴らしさだけではなく、作中のエジプトの雄大な景色も大きな見どころの一つです。

また、推理の仮説をその都度映像で再現しており、ミステリ映画として非常に分かりやすい親切な内容でした。


余談になりますが、読者参加型犯人当てミステリー小説「Rの刻印」に取り組んでいる私は、1978年のこの映画と、2008年の犯人当て小説が妙に頭の中でリンクしてしまって、何か不思議な感じでした

ナイル河を下る豪華客船やカルナック神殿など、あまりにも舞台が共通していて・・。

おかげで全く興味のなかったエジプトに、一度行ってみたいという気になってしまいました。


ミステリの女王「アガサ・クリスティ」の作品も、まだまだ未読の物が多いので、いつか早川書房のクリスティー文庫を全巻読破したいと思っていますが、一体いつになることやら・・。


ともあれ、映画「ナイル殺人事件」はまさに評判通りの最高傑作でした!

やっぱりミステリっていいなぁ~。

ラストシーンの「最近、オリエント急行で非常に面白い体験をした」というポワロの台詞にも、思わずニヤリでした。







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2008/12/30 19:39|・ミステリ映画&ドラマTB:0CM:3

コメント
原作だけ
私は原作だけ呼んだ事があります。クリスティーの映像化作品は、まだ観た事が無いので、是非観てみたいですね。
私は「ナイルに死す」が先だったので、「Rの刻印」は、その印象を引きずっていました。
けれど、登場人物が日本人の上、船上のシーンが少ないので、あまり、両者のイメージはかぶっていない、というのが現実です。小説の後の映画だと、印象が鮮明なのでしょうね!
私も、クリスティー文庫の読破を目標にしています。音倉さんの記事を読んで久しく目にしていないクリスティー作品のあの衝撃に、早く再会したくなりました。

クリスティーだったので、つい長々と(苦笑)
それでは、良いお年を。
嵩駒羅慧秦 #FECFAQn.|2008/12/31(水) 17:53 [ 編集 ]

いいですなぁ
いいですねぇ。ポアロ映画。
私は中学生の頃からポアロを読み続けており(その割に今のサイトは国内ミステリばかりですがw)「死海殺人事件」や「白昼の悪魔」の映画も映画館で見ましたが、とにかく豪華な配役で、純粋に娯楽大作として楽しんだことを覚えています。
一般にはテレビシリーズのデヴィッド・スーシェ氏のポアロが一番だといわれるようですが、私はピーター・ユスティノフ氏のポアロも大好きです。

あ~~。久しぶりに観たくなってきてしまったではないですか!!

今日は大晦日。
どうぞよいお年を。
来年もよろしくです。
FLIP #X6AIgIjQ|2008/12/31(水) 20:36 [ 編集 ]

いやホントいい映画でした。
>嵩駒羅慧秦さん
いや~もう、これがあのカルナック神殿か~、とか、あそこから昇平とバンダルがぶらさっがてたんだな、とか、映画と関係ない所で変な感動が(笑)
クリスティ文庫の読破、お互い頑張りましょう。

大切な時期だと思いますので、体調管理にだけは十分気をつけてください。

よいお年を。陰ながら応援してます。

>FLIPさん
私もこの映画のおかげで、他のクリスティ映画も色々観たくなってしまいました。
(中にはとんでもないハズレもあるという噂ですが・・。)

ピーター・ユスティノフは本当にイメージ通りのポアロだったので、逆に他のポアロがすごく気になります。

FLIPさんもよいお年を。
こちらこそ来年もよろしくです。
音倉誓示 #-|2008/12/31(水) 21:12 [ 編集 ]

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