~愛すべき「本格ミステリ」の世界~

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音倉誓示(Otokura Seiji)

Author:音倉誓示(Otokura Seiji)
魅力的な謎。論理的な解決。そして少しの遊び心♪
「本格ミステリ」の魅力が少しでも多くの人に伝わりますように。
元、某地方書店チェーンの店長。
九州在住。

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犯人に告ぐ犯人に告ぐ
(2008/03/21)
豊川悦司

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雫井脩介のベストセラー小説を豊川悦司主演で映画化!心に傷を負った刑事と姿なき殺人犯の緊迫の心理戦を描く本格サスペンス。川崎で起きた連続児童殺人事件。〈BADMAN〉と名乗りテレビに脅迫状を送りつけた犯人は3件目の犯行後、表舞台から姿を消す。膠着した警察は捜査責任者をテレビに出演させる大胆な“劇場型捜査”を決断する。担ぎ出されたのは過去に犯人を取り逃がし失脚した男・巻島。彼は犯人を挑発するが…。

原作小説を読んだ興奮の冷めやらぬうちに、今度は映画を観てみました

先日も書きましたが、雫井脩介さんは最新刊「犯罪小説家」に、まるで自分自身をモデルにしたかのような主人公(もちろん職業は小説家)を登場させています。

誤解の無いように書いておくと、当然この「犯罪小説家」は別に小説の映画化について論じている本ではなく、映画の監督をすることになった人気脚本家が、その粘着質で不快な独特の雰囲気で、その映画の原作小説の著者である主人公にまとわりついてくるという心理サスペンスです。

ただ、この小説の中で私が印象に残ったシーンの一つとして、主人公である作家が、監督を務める事になった脚本家に対して「・・・僕としては、小説とは違うシーンが出てきたり、ストーリーがアレンジされたりしても構いませんよ。多くの原作付き映画がそうであるようにね。小説は小説、映画は映画ですから」と言う場面があります。

もちろんこれは「犯罪小説家」の主人公「待居涼司」の台詞であって、「雫井脩介」の台詞ではありません。

しかし、東野圭吾さんも自身のエッセイの中で「映画化を任せた以上、私は監督、脚本家、さらには役者を信じることにしている。誰もがいいものを作ろうとしているはずだからだ。わざわざ面白くもないものを作ろうとは誰も思わない。熟考の末、最も面白いと思って作ったストーリーが原作と違っていても構わない。むしろそれは望むところだ。そのストーリーを生かす最善の演出を監督はやろうとするだろうし、役者さんたちはそれに応えようとするはずだ。」と書いていました。

しかし私の場合、映画を観て「原作はあんなに面白かったのに・・」と落胆したのは一度や二度ではありません

ただ、中には先日の「アヒルと鴨のコインロッカー」のように、「よくぞここまで原作の良さに忠実に映画化してくれた!」という嬉しい作品もありました

・・と言う事で、しばらくは「原作」と「映画」を見比べるマイブームが続くかもしれません

それにしても前置き、長っっ!!


で、ようやく映画です。

全体的に、すごく良く出来ていたと思います

特に豊川悦司さんは見事にハマリ役でした。

ただやはり駆け足の感は否めません

もちろん、もし原作通りに忠実に映画化したら恐らく4時間以上の映画になるでしょうから、これはしょうがないんでしょうね。

原作では、主人公が犯人に直接呼びかけ始めるのは何度かテレビに出演した後なのですが、映画では1回目の放送でいきなりでしたので、これは驚きました。

また、出産を迎えるのが、原作では娘だったのですが、映画では妻になっていました。

ただそれらの変更点はいいとして、一つだけ残念だった事があります

原作では、主人公の家族は色々と大変な目に遭いながらも、それでも主人公を支えているように見えました。

しかし映画では、家族は仕事ばかりの主人公を責め、どちらかというと足を引っ張る存在になっていました。

もちろん、その方がリアリティがあるのかもしれません。

いくら日本中が注目する重大事件の捜査指揮官とはいえ、夫であり父親ですから。

しかし、犯人を追いつめるサスペンスと同時に、辛い立場の主人公を支える家族の姿も原作の「良い部分」だったと思いますので、出来ればここは変えて欲しくなかったです

他にも細かい変更点は色々とありましたが、ただ、一番のクライマックスである・・

犯人に告ぐ(注 原作では「バッドマンに告ぐ」)。(中略)我々はようやくお前を追いつめた。逮捕はもう時間の問題だ。(中略)今夜は震えて眠れ。」

のシーンは、映画版の方が台詞がかなり長く、非常に迫力があり、まさに最高の見せ場でした

ここは唯一映画が原作を凌駕したシーンかも

とにかく、全体的には十分満足しました


次は何を観ようかな♪







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2008/11/14 23:47|・ミステリ映画&ドラマTB:0CM:0

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