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~愛すべき「本格ミステリ」の世界~

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音倉誓示(Otokura Seiji)

Author:音倉誓示(Otokura Seiji)
魅力的な謎。論理的な解決。そして少しの遊び心♪
「本格ミステリ」の魅力が少しでも多くの人に伝わりますように。
元、某地方書店チェーンの店長。
九州在住。

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PLAY プレイ (講談社ノベルス ヤL- 8)PLAY プレイ (講談社ノベルス ヤL- 8)
(2008/09/05)
山口 雅也

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ぬいぐるみを偏愛する天才外科医。その愛ゆえにとった行動は(『ぬいのファミリー』)、なぜか猿の物真似をしつづける少年。謎はあるボード・ゲームに隠されていた!(『蛇と梯子』)他二編収録。一度始めるとやめられない、戦慄のゲームが始まる!異色の短篇集、ついにノベルス化。

「遊戯」をテーマにした山口雅也さんの短編集「PLAY」を読みました。

ぬいぐるみ遊びがテーマの「ぬいのファミリー」。

ボード・ゲームがテーマの「蛇と梯子」。

隠れ鬼(私は「かくれんぼ」の方がしっくり来ますが「隠れ鬼」が一般的?)がテーマの「黄昏時に鬼たちは」。

ヴィデオ・ゲームがテーマの「ゲームの終わり/始まり」。

の4篇が収録されています。


「ぬいのファミリー」

ぬいぐるみを偏愛する天才外科医。

仕事が忙しく、妻や娘と上手くいかない主人公を癒してくれるのは、幼いころから慣れ親しんできた「ぬいさん」(←ぬいぐるみ)たちだけ・・。

バラバラになってしまった家族の絆を回復させ、ファミリーをやり直すために彼がとった行動は・・

ミステリではなく、サイコ・ホラーといった趣き。


「蛇と梯子」

転勤先のインドで息子が拾った「蛇と梯子」というボード・ゲーム。

「猿」のマスに止まった息子は、心身ともに猿に変身していきます。

治療法を知っているという精神科医に言われるまま、家族全員でそのボード・ゲームを始める主人公たちですが・・・

奇想というところですが、こちらはミステリ的要素もあり、物語終盤の「リセット」もよかったです


「黄昏時に鬼たちは」

路地裏で発見された死体。

どうやら彼は「隠れ鬼」の最中にトラブルに巻き込まれたようだが・・。

収録作4篇の中では一番「ミステリ」な作品でした。

読者の錯覚を誘い込む、切れ味鋭い好短編。


「ゲームの終わり/始まり」

日常の自分の行動もゲーム感覚で考えるようになってしまった、ゲーム・オタクの少年。

家族に対する日頃の鬱憤を晴らすため、ある日彼は、自分の家族を登場人物にしたカスタム・ゲームを手に入れます。

まるで現実に沿うかのように展開していくゲームですが・・

何となく、綾辻さんの「フリークス」を思い出しました。


山口雅也さんは「生ける屍の死」が面白かったし、この「PLAY」のオビにも「鬼才が描く、衝撃のミステリ短篇集!」と書かれてあったので読んでみたのですが、あまり「ミステリ」という内容ではありませんでした

面白くない訳では無いのですが、あまり「ミステリ」を期待して読むと、少し肩すかしをくらったような気分になるかもしれません。

ただこの4篇には「遊戯」の他にもうひとつ「ダークな共通テーマがある」、という著者の言葉がありましたので、全編読了後に考えてみると・・確かにこの本全体に1羽の不吉な鳥が飛んでいた気がします・・

山口先生、合ってますか?







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2008/10/28 23:02|・山口雅也TB:0CM:0

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