~愛すべき「本格ミステリ」の世界~

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音倉誓示(Otokura Seiji)

Author:音倉誓示(Otokura Seiji)
魅力的な謎。論理的な解決。そして少しの遊び心♪
「本格ミステリ」の魅力が少しでも多くの人に伝わりますように。
元、某地方書店チェーンの店長。
九州在住。

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ミステリアス学園 (光文社文庫)ミステリアス学園 (光文社文庫)
(2006/04/12)
鯨統 一郎

商品詳細を見る
ミステリアス学園ミステリ研究会、略して「ミスミス研」。ミステリは松本清張の『砂の器』しか読んだことがない、新入部員・湾田乱人が巻き込まれる怪事件の数々。なぜか人が死んでいく。「密室」「アリバイ」「嵐の山荘」…。仲間からのミステリ講義で知識を得て、湾田が辿り着く前代未聞の結末とは!?この一冊で本格ミステリがよくわかる―鯨流超絶ミステリ。

鯨統一郎さんの「ミステリアス学園」(光文社文庫)を読みました。

実は読んだのは一か月以上前なのですが、このところ「探偵Xからの挑戦状!」や「本格ミステリ大賞」関連で何かと忙しく、記事を書くのがすっかり遅くなってしまいました。


この「ミステリアス学園」は全7話からなる連作短編集なのですが、まずそのタイトルを列記すると・・・

 第1話「本格ミステリの定義」

 第2話「トリック」

 第3話「嵐の山荘」

 第4話「密室講義」

 第5話「アリバイ講義」

 第6話「ダイイング・メッセージ講義」

 最終話「意外な犯人」

どうですか?

興味湧きません?

私はこの目次だけで顔はニヤけるわ涎は垂れるわで、もうたまりませんでした。


この作品は、まず冒頭に著者からの注意書きが付されています。

鯨先生曰く、

*冒頭の一行で、内外名作ミステリすべての真相を明かしていますので、未読のミステリを残しているかたは二行目からお読みください。

という事で、まだまだ多くの未読作品を残している私は、著者の警告に従い一行目を読まないように注意しながら二行目から読み始め・・・・・・・・られるわけ無いじゃないですか。

無理ですって。

確かに一行目にはあらゆるミステリのネタバレが書いてありましたので、皆さんも注意してください(笑)


で、話はようやく本編に入りますが・・・


この作品の主人公は、M市郊外にある「ミステリアス学園」に入学し、そこにある「ミステリ研究会」(通称ミスミス研)に入部した「湾田乱人(わんだらんど)」です。

ミスミス研の部員は、今年の新入生を除くと5人。

部長である4年生の「小倉紀世治」は、ぼさぼさの長髪で顔はほとんど見えず、手には常に黒い手袋をはめているというかなり怪しい人物です。

小説の好みは不明。

3年生の「平井龍之介」はミスミス研で唯一の「本格ミステリ」支持者。

同じく3年生の「長生はるか」は「ハードボイルド」の信奉者で、北方謙三の大ファンだそうです。

2年生の「星島哲也」は大藪春彦などの「アクション小説」が好み。

同じく2年生の「西村純子」は、本人のカミングアウトによれば「バイミステリ」。

「サスペンス」も「本格ミステリ」も読む両刀遣いだそうです。

そしてそこに今年の新入生として、ミステリのことは何も分からず、読んだ事のある小説は松本清張の「砂の器」だけという主人公の湾田乱人と、島田荘司が一番好きで他にも泡坂妻夫、綾辻行人、有栖川有栖、法月綸太郎、二階堂黎人、エラリイ・クイーン、カー、クリスティー、etc・・・を読んでいるという「薔薇小路亜矢花」が入部します。


この連作短編集全体の感想を言ってしまえば、とにかくメタに次ぐメタ、まさしくマトリョーシカミステリとでも名付ければいいのでしょうか。

そして最後の「意外な犯人」も本当にこれ以上ない「意外な」犯人で(まさかそこで「シュレディンガーの猫」まで持ち出してくるとは思いませんでしたが)、まさしくこの犯人の犯行を防ぐために私はこのブログを書いていると言っても過言ではありません。


ま、それはさておき、作中に登場するミスミス研部員たちの会話などを一部紹介すると・・・

松本清張か。社会派じゃないか」「いや、初期の松本作品は本格だ」

「本格ミステリって、何なんですか?」「本格的なミステリだ」「ひと言でいえば謎解き小説だ」「物語の前半部で魅力的な謎が提示され、その謎が論理的に解明される過程を楽しむ推理小説。(以下略)」

二階堂黎人は本格を次のように定義しています」――《本格推理小説》とは、手がかりと伏線、証拠を基に論理的に解決される謎解き及び犯人当て小説である。

「ミステリ小説の初めといいますと、なんでしょう」「エドガー・アラン・ポーの『モルグ街の殺人事件』だ。これは密室殺人を扱っている。(以下略)」

・・・などと、第1話からだけでも紹介したい内容が山ほどありますが、他にも、倒叙もの、叙述トリック、有栖川有栖によるアリバイトリックの分類、機械的・心理的密室トリック、プロバビリティの犯罪、クローズド・サークル、ロジックとトリック、清張による乱歩の否定、ディクスン・カーの密室講義、フットレルにチェスタトン、「虚無への供物」、日常の謎派、キャラ萌え(笑)、ダイイング・メッセージ、バカミス、ネタバレ、etc・・・とにかく本格読みにとってたまらないキーワードがてんこ盛りです!!


巻末付録の「ミステリ作家実質デビュー年区分表」も勉強になりましたし、「本格ミステリ度MAP」も面白かったです。

あ~、幸せな一冊だった~。

あっ、ちなみにこの本は別にミステリマニア向けではなく、基本的にはミステリの事をもっと知りたい読者に向けて書かれているようですので、ミステリに少しでも興味のある方はぜひっっ!!!



ただあの結末には怒る読者もいるのかな~やっぱり。

ま、次の「パラドックス学園」よりはマシだと思うのですが。




鯨統一郎さんに興味を持たれた方は、FLIPさん作成のファンサイト「くじら学習塾へようこそ!」も良かったらのぞいてみてください。







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2009/05/07 12:28|・鯨統一郎TB:0CM:5

コメント
擬き作家
三年以上前にノベルスで読みました。
初めて目次を見た時はゾクゾクしました。
期待感ほどではないけど楽しめました。
しかし、結末で本を投げつけ・・・(図書館で借りてたから)ませんでした。
鯨さんはミステリ擬き作家と思って読めば、楽しめると思います(タイムスリップシリーズ等)
江守森江 #JalddpaA|2009/05/07(木) 17:37 [ 編集 ]

上手いですね
「もどき作家」ですか、上手いこと言いますね(^^)

多彩な作風の作家さんですが、確かに狭義の本格ミステリには収まらない作品が多いですよね。
どちらかというと「バカミス」に近いような・・・。

ま、なにはともあれ読んでいて楽しめる作家さんの一人である事は間違いないと思います(^^)
音倉誓示 #-|2009/05/08(金) 01:27 [ 編集 ]

リンク&トラバありがとうです!
最近かな~り忙しく、ちょっと読書量が少なくなっているこの頃です。が、ようやくましになってきたので、読みやすい霧舎巧先生の「あかずの扉」シリーズでリハビリ中です。
わたしの書評サイトの方で書いているのですが、この本はミステリといえばクリスティだったわたしを国内本格に引き込んだ真犯人ですw
もちろん良い入門書だったのですが、ある程度わかった後に読んでも、色々ほくそ笑むことができて良いですねぇ~。
でも、この本が書かれた頃から見ると色々変わってきた本格ミステリ界勢力地図。
また続編でも書いてくださらないかな~? と妄想しております。(←無理か?w)
FLIP #X6AIgIjQ|2009/05/10(日) 09:59 [ 編集 ]


各話のタイトルがミステリ好きにはたまらないですね♪読んでみます!
コンサ #-|2009/05/10(日) 11:20 [ 編集 ]

ついつい
興奮気味の記事になってしまいました。

>FLIPさん
お、今度は霧舎巧さんですか。
読みたいけどまだほとんど読めてない作家さんの一人ですね(こんなのばっかりですが)。
確かに親本のノベルス版は6年前の発行ですから当時とはずいぶん変わってますよね。
続編書いてくれるといいな~。

>コンサさん
でしょう!
ぜひその内に。
読めばコンサさんも犯人では無くなります(^^)
音倉誓示 #-|2009/05/11(月) 01:24 [ 編集 ]

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