~愛すべき「本格ミステリ」の世界~

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音倉誓示(Otokura Seiji)

Author:音倉誓示(Otokura Seiji)
魅力的な謎。論理的な解決。そして少しの遊び心♪
「本格ミステリ」の魅力が少しでも多くの人に伝わりますように。
元、某地方書店チェーンの店長。
九州在住。

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鬼の跫音鬼の跫音
(2009/01/31)
道尾 秀介

商品詳細を見る
心の中に生まれた鬼が、私を追いかけてくる。―もう絶対に逃げ切れないところまで。一篇ごとに繰り返される驚愕、そして震撼。ミステリと文芸の壁を軽々と越えた期待の俊英・道尾秀介、初の短篇集にして最高傑作。

道尾秀介さんの最新作「鬼の跫音」を読みました。

2006年~2008年にかけて雑誌「野生時代」に掲載された短編を一冊にまとめた、著者初の短編集です。

カラスの親指」に続いて2冊目のサイン本なので、とりあえず画像を。

「鬼の足音(道尾秀介)」サイン - コピー
(クリックで拡大します)



「鈴虫」

11年前の犯罪が運悪く発覚してしまい、刑事の取り調べを受ける「私」。

当時現場にいた「鈴虫」・・そして11年後、息子が小学校から持って帰って来た「鈴虫」。

主人公の壊れていく心が、不気味にそしていびつに描かれていて、この辺りはさすが道尾秀介さんです。

少しずつ明らかにされていく11年前の出来事。

おそらくこういう事があったのだろう、と想像しながら読み進めていった読者はまたもや著者の罠に嵌り、驚愕の真相を突きつけられます。

「これは文芸なのか?、それともホラーなのか?」と戸惑いながら読んでいた私の目の前に現れたのは、紛れもない、しかも非常に上質の「本格ミステリ」でした。


「犭(ケモノ)」

これもすごかった!

刑務所作業製品の椅子から、たまたまあるメッセージを見つけてしまった主人公。

彼の行動を全く気にしない家族たちを尻目に、彼は一匹のモンシロチョウに導かれるように、そのメッセージの意味を調べる旅に出ます。

そして辿り着いたのは、ある村での、醜悪でいびつな人間たちの所業。

様々な想いを胸に、彼は家族の元に帰りますが・・・。


これだから道尾秀介はやめられない!

個人的には、今回の収録作の中で一番のお気に入りです。


「よいぎつね」

忌まわしい思い出のある土地に、20年ぶりに足を運んだ主人公。

否応なしに、あの祭りの夜の記憶が蘇ります・・・。


どちらかと言うと「幻想小説」の趣かな。

最後は、いま一つすっきりしなかったような・・。


「箱詰めの文字」

・・と思ったら、この作品の冒頭に「よいぎつね」に関する重要な記述が。

この単行本では「よいぎつね」→「箱詰めの文字」の順で収録されていますが、巻末の初出一覧を見ると雑誌掲載時は逆の順番だったようで・・これは面白い趣向ですね。


さて、この「箱詰めの文字」ですが・・

作家である主人公のアパートを突然訪れてきた見知らぬ青年。

聞けば、主人公の貯金箱を盗んだ事を謝りに来たと言います。

その見覚えのない貯金箱に入っていたのは、「見覚えのある」字で書かれた短いメッセージ。

この作品も、他の作品同様にさりげない伏線が上手くちりばめられた好短編でした。


「冬の鬼」

日記形式の小説や、作品の中に手記がちりばめられた小説などは読んだ事がありますが、一日ずつ日付が遡っていく日記形式の小説は初めて読みました!

日付が一つ減るたびに、少しずつ明らかになっていく真相。

読み終えた後は、一度読んだ文章がまったく違う意味を持ってその真の姿を現します。

脱帽。


「悪意の顔」

現実にはあり得ないはずの事を起こす人物が現れ、それが現実的に説明がついたと思わせておいて、また幻想の世界へ誘われ・・そして最後には・・。

心地よく、著者の掌の上で転がされた気分です。

最後の一篇まで、満足のいく作品ばかりでした。


一年を通して多くのミステリを読む中で、面白かったけどこれは文庫になってからでもよかったかな、と思う本があるのは事実です。

ですが、鬼の跫音」を未読のあなた!

この作品は、ぜひ、今すぐ読んでください!

絶対に後悔はさせません!

自信を持って薦められる1冊です!


道尾秀介さん、ますます惚れました。







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2009/03/01 23:59|・道尾秀介TB:1CM:1

コメント

どれも救いがないラストでしたね。
ほんと、怖かったです。

トラックバックさせていただきました。
藍色 #-|2009/03/03(火) 05:26 [ 編集 ]

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鬼の跫音 道尾秀介
心の中に生まれた鬼が、私を追いかけてくる。―もう絶対に逃げ切れないところまで。 一篇ごとに繰り返される驚愕、そして震撼。 ミステリと...
粋な提案 2009/03/03(火) 05:19

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