~愛すべき「本格ミステリ」の世界~

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音倉誓示(Otokura Seiji)

Author:音倉誓示(Otokura Seiji)
魅力的な謎。論理的な解決。そして少しの遊び心♪
「本格ミステリ」の魅力が少しでも多くの人に伝わりますように。
元、某地方書店チェーンの店長。
九州在住。

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昨年「週刊ヤングマガジン」で連載されていたマンガ版の「逆転検事」が、フィールドを「月刊ヤングマガジン」(毎月第2水曜日発売)に移して連載再開されました。

脚本はもちろんこの人、夏はスイミングインストラクター、冬はスキーインストラクターの肉体派(?)本格ミステリ作家、くろけんこと黒田研二さんです。


1月4日、新年の仕事始めの日を迎えたおもちゃ会社「おもちゃ堂」の本社ビルで、社長秘書の「遠井幸(とおいさち)」(26歳)が、社長室で遺体となっている「大餅屋鰤吉(おおもちやぶりきち)社長」(43歳)を発見します。

遺体発見時、社長室のドアは開いたままでしたが、社長のデスクがなぜか移動させられており、鰤吉社長は神棚と掛け軸の下で正座をし、腹部に短刀が刺さったまま「切腹」のような状態で大量の血を流して絶命していました。

死因は腹部からの大量出血による失血死、死亡推定時刻は3~4日前のようです。

掛け軸には、書道が唯一の趣味だった鰤吉社長直筆の「浅い川も深く渡れ」という含蓄のある(?)言葉が書かれており、また、仕事人間だった鰤吉社長は職場以外での人付き合いは皆無で、唯一心を許していたのは愛犬「ロケット」(くろけんさんの愛犬「ロック」のもじりでしょうか?)だけだったようです。

デスクの上からは、年賀状に混じって、「我が命日に地獄より舞い戻り貴殿を呪い殺さん 大餅屋玩之輔」と書かれたハガキも見つかり、またゴミ箱からは筆で「下川」と書かれているらしき紙も見つかります。

先代の社長であり創業者の「大餅屋玩之輔(おおもちやがんのすけ)」は、長男の鰤吉社長、次男で副社長の「大餅屋積樹(おおもちやつみき)」(41歳)、三男で専務の「大餅屋竹馬(おおもちやちくま)」(39歳)の父親ですが、昨年の元旦に社長室で切腹自殺を図り亡くなったとの事。

デスクの上にあったカードは、冥界からの脅迫状なのか?

経営難に苦しんでいた鰤吉社長は、父親と同じように元旦に切腹自殺してしまったのか?

「下川」のように読める紙は鰤吉社長が書いたダイイングメッセージなのか?



秘書の遠井は鰤吉社長を尊敬していたようですが、前妻との間に生まれた、存在すら知らなかった兄を突然連れて来られて2代目社長の座を奪われた竹馬などは、かなり鰤吉を嫌っていたようです。

警察は早々に自殺と断定したようですが、御剣検事の眼は欺けません。

ゲームファンには嬉しいキャラクター、カガク捜査官を目指す「宝月茜」も登場し、力を合わせて事件の真相究明にかかります。


・・・・・と、ここまでが〈前編〉。


〈後編〉では、数々のささいな手掛かりを元に御剣検事が一気に真相をあぶり出すのですが、残念ながらネタバレになるのでここでは細かくは語れません。

ただ、今回は後編で初めて登場する手掛かりなどもあったため、前編だけで完全に真相に辿り着くのはちょっと難しかった気がします。

また、犯人が仕掛けた偽装やそれに関する真相も、ちょっといつもに比べて無理筋の物が多かったようです。

ま、真相が分かった後で前編を読み返してみると、しっかりコマの中に真相に繋がる伏線が描かれていたりしますので、こういう楽しみはミステリマンガならではですね。


さて、次号(2/10発売の3月号)からは銀幕の世界で起こった事件が描かれるという事で、今後も楽しみです。








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2010/01/21 02:43|逆転裁判&逆転検事TB:0CM:2

 

午前零時のサンドリヨン午前零時のサンドリヨン
(2009/10/10)
相沢 沙呼

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ポチこと須川くんが、高校入学後に一目惚れしたクラスメイト。不思議な雰囲気を持つ女の子・酉乃初は、実は凄腕のマジシャンだった。放課後にレストラン・バー『サンドリヨン』でマジックを披露する彼女は、須川くんたちが学校で巻き込まれた不思議な事件を、抜群のマジックテクニックを駆使して鮮やかに解決する。それなのに、なぜか人間関係には臆病で、心を閉ざしがちな初。はたして、須川くんの恋の行方は―。学園生活をセンシティブな筆致で描く、連作ミステリ。第十九回鮎川哲也賞受賞作。

「第19回鮎川哲也賞」の受賞作です。

著者は、フリーのプログラマーをされているという「相沢沙呼」さん(*男性です)。


ミステリ好きな高校生のぼく(須川)は、1年生の春に、同じクラスの、綺麗だけどあまり他人を寄せ付けないクールな雰囲気を持った女の子「酉乃初(とりのはつ)」に一目惚れします。

彼女の内面をまったく知らず容姿や雰囲気だけに惹かれている自分に自己嫌悪気味の須川くんでしたが、ある日姉に連れていかれたレストラン・バー「サンドリヨン」で、それまで学校では見たことのない魅力的な笑顔で、お客さんを相手にマジックを演じる酉乃さんを見かけます。


他人と距離を置き、なかなか感情を表に出さない学校での彼女。

自信に溢れ、いきいきとした表情でマジックを演じる「サンドリヨン」での彼女。

そして、その二面性に戸惑いながらもますます彼女に惹かれる須川くん。

それぞれが悩み、時には勇気を出したりしながら、学校で起きた不思議な出来事の謎を解いていきます。


「マジック」と「ミステリ」。

どちらも私が大好きな趣味の一つです。

そこに登場したこの「女子高生マジシャンが登場するミステリ」を、私が読まない訳がありません。

「ミステリーズ!」(東京創元社)に掲載されていた鮎川哲也賞審査員の選評を見ると、決して全員が手放しで絶賛した訳では無かったようで、実際に面白いかどうか半信半疑のまま読み始めたのですが・・・・・完全に杞憂でした。


面白い!

そして何より愛らしい!


学校を舞台にしているだけあって――連続殺人鬼がクローズドサークルで見立て殺人を行う訳もなく――、一つ一つの謎はそんなに大がかりな物ではありません。

いわゆる「日常の謎」と呼ばれる物語です。

「空回りトライアンフ」「胸中カード・スタッブ」「あてにならないプレディクタ」「あなたのためのワイルド・カード」という4つの中編で構成された連作ミステリですが、それぞれの物語に数々の魅力的なマジックが登場します。

「ミステリ」である以上、最後に物語の謎は解かれるわけですが、当然のごとく作品に登場するマジックのタネは明かされません。

ここがミステリ読みにとってはもどかしかったりするのですが、作中にもあるように、やはりマジックは「解く」よりも「不思議を楽しむ」方が、正しい楽しみ方でしょう。



セミプロ級のマジシャンでもある著者の相沢沙呼さんは、鮎川哲也賞の贈呈式でも作中に登場するマジックを自身で実際に演じてみたりと、来場者に驚きを与えていたようです。


スゴ腕のマジシャンでありながら、人間関係にはとても臆病で不器用な酉乃初。

そして、何とか酉乃さんと仲良くなりたい、酉乃さんの悩みを取り除いてあげたい、と悪戦苦闘する須川くん。

本格ミステリとしてはやや小粒な印象はあったものの、ちりばめられた伏線とそれをうまく回収してあるプロット、そして何より悩み、成長していく登場人物たちの愛らしさ。

酉乃さんがマジックを始めた理由は、個人的にはとても共感できるものでした。



次回作が、とても待ち遠しい作品です。







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2010/01/15 02:47|・相沢沙呼TB:0CM:2

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