~愛すべき「本格ミステリ」の世界~

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音倉誓示(Otokura Seiji)

Author:音倉誓示(Otokura Seiji)
魅力的な謎。論理的な解決。そして少しの遊び心♪
「本格ミステリ」の魅力が少しでも多くの人に伝わりますように。
元、某地方書店チェーンの店長。
九州在住。

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更新がすっかり遅くなりました。

実は記事は割と早めに書いていたのですが、どう冷静に書いても作品や作家さんを批判する内容になってしまうので、アップするのを少し躊躇していました。

そこで数日あえてアップせずに色々考えていましたが、いくらミステリをけなしたくないとはいえ、やっぱり正直になるべきだと思い、結局アップする事にしました。

感情を抑えて、かなり表現を柔らかく書いたつもりですが、感じ悪い文章になっていたらごめんなさい。

以下、数日前に書いた文章です。


もう「メゾン・カサブランカ」の事はサクッと忘れてさっさと「殺人トーナメント」に頭を切り替えたい所ですが、区切りをつけるためにも一応書かせて頂きます。


柿崎を殺害した犯人は「畑中操」。

操には盗癖&過去のトラウマがあり、下着泥棒の自作自演が柿崎にバレて、つきあうように強要されたので殺害した、という事でした。

問題編では「柿崎を殺害した犯人は誰か」という謎以外にも「ピザでお腹いっぱいだったはずの柿崎が、なぜ餃子を注文したのか」など、他にもいくつかの謎が提示されていましたが、さすがに今回は、6千数百人の中にも全ての真相を言い当てた読者(視聴者)はいなかったようで、「完全正解」そのものがスルーされていました・・・。

おそらく「餃子はカーズィムに食べさせるつもりだった」と解答した人は全員犯人を「カーズィム」にしており、「操が下着泥棒だった」と解答した38人の中には餃子の件を当てた人はいなかったんでしょうね。

ま、そりゃそうだ。

しかし!

ここで著者をちょっとだけ擁護させてもらうと、小説版の解決編はTV版とはかなり印象が違いました。

TV版の解決編だけ見ると、正解するための妄想プロセスは、

 「磯田・白井・カーズィムにはアリバイがあり、犯行可能なのは長谷川か操」→「長谷川が犯人では意外性がない」or「操役の女優さんのブログを読んだ」→「犯人は操に違いない」→「問題編からは動機を推測できる伏線が無かったので、操が下着泥棒だった事にしよう」

だったように感じます。

しかし、小説版の解決編では、

 「柿崎は白井に“引っ越さなくてもいいかも”と言っていた」→「白井が引っ越そうとしていたのは下着泥棒が原因」→「という事は下着泥棒の件が解決した」→「下着泥棒の件が解決するには“犯人逮捕”か“セキュリティの強化”だが、柿崎にはセキュリティを強化するだけの金が無く、猫好きの柿崎が番犬を飼うはずもない」→「という事は柿崎は“下着泥棒の犯人が分かった”に違いない」→「現場からデジカメが消えていた事と合わせて考えると、柿崎は下着泥棒の犯行現場を撮影したに違いない」

という推理プロセスを、

 「柿崎はピザで満腹だったので、餃子は自分が食べるために頼んだのではない」→「柿崎は自殺に偽装されていたが、犯人がもし柿崎が餃子を注文しているのを知っていれば自殺に偽装しても無駄な事が分かるはずなので、柿崎を殺害した犯人は柿崎が餃子を注文していた事を知らなかったはず」→「という事は、柿崎が餃子を注文したのは、柿崎が食べるためでも犯人に食べさせるためでもなく、磯田に見せる面白い写真(ムスリムが餃子を食べる写真)を作るためにだったに違いない(←想像の翼を広げましょう)」→「磯田に見せる面白い写真は“下着泥棒の犯行現場”だったはずなのに、別の面白い写真を用意しようとしていたという事は、下着泥棒の犯人と話がついて“犯行現場の写真”を消去する事になったに違いない」→「しかしカーズィムにはアリバイがあるので、カーズィムは犯人ではない」→「他にカーズィムが餃子を食べる可能性があるとしたら、それは操ちゃんのために違いない」

という推理プロセスと合わせて、

「という事は、下着泥棒の犯人で、なおかつ柿崎を自殺に見せかけて殺害したのは操ちゃん以外にありえない!」

という結論に辿り着くように(少なくとも著者はそう意図して)作られていたようです。

ま、あくまでそれを狙ったのだろうというだけであって、実際はミステリとしてまったく成立していなかった訳ですが、しかし少なくともTV版よりは多少好感を持てました。

下着泥棒が清楚な女性だったという意外性や、柿崎が餃子を食べさせようとした人物と柿崎を殺害した人物は別人だったというヒネリは、それが成功したかどうかを別にすれば面白い発想だと思います。

しかし今回は、いや間違えた、今回も、あまりにも小説と映像が違いすぎる。

小説では、柿崎は猫を撮影していてそこに操が写ってしまったようになっていましたが、TV版では完全に変態盗撮魔でしたし・・・。

ただ小説の方も、「扼殺」と「絞殺」ぐらいはちゃんと使い分けて欲しかった。

小説版解決編の「柿崎も抵抗したが、座った状態で後ろから首を絞められてしまえば、抗いようがない」というのも、いくらなんでも無理がありすぎです。

メールの日付や曜日がおかしいのも、なぜか秋に手に入る夏季限定商品もたぶんスルーされるとは思っていましたが、まさかFMラジオまでスルーされるとは・・・。

常にこちらの考えの遥か斜め上を行く「探偵X」、まだまだ私も修行が足りません。

伏線から真相を推理する訓練は積んでいるつもりですが、まさか真相に繋がる伏線を全て後だしされるとは思いませんでした。


そして、どうしても最後に一言だけ言いたい。


写真をネタに交換条件を出すなんて、


柿崎ってすっげーイヤな奴じゃん!


ふぅ、スッキリ。




さ、次は井上夢人さんの「殺人トーナメント」がすでに始まっています。

懲りずに頑張るぞ~っと。





・・・とここまでは10/31の午前中に書いていたのですが、昼過ぎにNHKからお詫びのメールが来ましたね(^^;)

これには驚きました。

それだけクレームが多かったんでしょうね(あ、私はここで遠吠えしてるだけで、何も送ってないですよ)。

今回の作品は、そもそも原作が犯人当て小説として成立していませんでした。

真相を知った後に読み返してみて、それでもやっぱり真相に辿りつけないミステリは初めてです。

しかし、それを更に何倍にもひどい作品にしたのは、原作の意図をまったく汲んでいないあの映像化でしょう。






私はミステリが大好きです。

子供の頃に読んで感じたワクワク・ドキドキ、そしてビックリ。

そして、大人になって少しは分かるようになってきた、とりわけ「本格ミステリ」と呼ばれる作品たちにおける論理性や構築美。

少しでもたくさんの人たちに、この楽しさを知って欲しいと思っています。

本当ならこの「探偵X~」には、今までミステリに興味がなかった方たちにミステリの楽しさを知ってもらう番組になって欲しかった。

しかし今回の「メゾン・カサブランカ」で「探偵X~」に参加した方たちは、きっと「ミステリってこんなに理不尽でつまらない物なのか」と感じてしまったのではないでしょうか。



私はそれが何よりも悔しいです。










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2009/11/03 01:35|Season 2TB:0CM:5

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