~愛すべき「本格ミステリ」の世界~

プロフィール 

音倉誓示(Otokura Seiji)

Author:音倉誓示(Otokura Seiji)
魅力的な謎。論理的な解決。そして少しの遊び心♪
「本格ミステリ」の魅力が少しでも多くの人に伝わりますように。
元、某地方書店チェーンの店長。
九州在住。

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白銀荘の殺人鬼 (光文社文庫)白銀荘の殺人鬼 (光文社文庫)
(2004/02/10)
愛川 晶 二階堂 黎人

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スキー客で賑わうペンション「白銀荘」。そこに血腥い殺人鬼の匂いを纏った客が紛れ込んだ。多重人格症に悩む彼女は、ある目的を果たすため、連続殺人をもくろんでいた。おりしも、豪雪により白銀荘は外界と遮断された密室状態に!そして、相次ぐ殺人―。さらなる悪夢が。今、血の惨劇の幕が開く!本格推理の鬼才二人によるサイコ・ミステリーの傑作、登場。

先日、くろけん(黒田研二)さんと二階堂黎人さんの合作シリーズである「Killer X 3部作」の3作目、「永遠の館の殺人」が文庫(光文社文庫)になりました。

シリーズ1作目である「Killer X(キラー・エックス)」は、2001年11月に光文社カッパ・ノベルスから「クイーン兄弟」という名義で刊行され、当時はこの「クイーン兄弟」が何者か、という著者当てクイズも話題になりました(本格ミステリ作家2人の合作であることは明かされていました)。

その後、シリーズ2作目「千年岳の殺人鬼」、3作目「永遠の館の殺人」が発表され、全3作の完結となりました。

ただこの3部作より前に、同じく二階堂黎人さんが愛川晶さんと合作し、「彩胡ジュン」名義で発表した「白銀荘の殺人鬼」という作品(この時も著者当てクイズあり)があり、この作品の登場人物の一部や作品世界が「Killer Xシリーズ」と共通しているため、まずは「Killer Xシリーズ第ゼロ作」とも言える、この「白銀荘の殺人鬼」から読み返してみました。

ちなみに二階堂黎人さんのウェブサイトを見た限りでは、「Killer Xシリーズ3部作」にこの「白銀荘の殺人鬼」を加えて「スキー・サイコ・シリーズ4部作」とも呼べるようです。


主人公は「立脇順一」・・・の中にいる別の人格「美奈子」。

設定からして著者名通り「Psycho(サイコ)」(=彩胡)ですね。

美奈子は、同じく順一の中の別人格である「晴代」と共謀して、ホスト人格である順一を消し去り、自分がこの肉体のホスト人格になろうと目論みます。

その計画とは、美奈子と晴代で残虐な大量殺人を起こし、その直後に気の弱い順一の人格を表に出してショックで心の奥へ追いやり、二度と順一の人格が表に出ないようにする、というもの(このあたりの動機と方法については多少無理があるような気がしないでもありませんが・・)。

ちなみに順一は、美奈子や晴代の人格が表に出ている時は意識がありません。

美奈子は、順一の行動などは全て把握していますが、晴代が表に出た時だけ同じように意識を失います。

晴代は、どの人格が表に出ていても全ての行動を把握しています。

ということで、もちろんこれが一つの鍵になります。


妻・娘と3人で、福島の「磐梯リゾートスキー場」にスキーに来た順一。

白銀荘というペンションに宿泊するのですが、美奈子と晴代はこのペンションでついに計画を実行に移すことにします。

このペンションに居合わせたのは、お互いネットで知り合ったという若い女性の3人組や建設会社の社員旅行らしき4人組、ペンションのオーナー夫婦とスタッフである若い男女2名など。

運良く大雪のためペンションは孤立し、美奈子はいよいよ大量殺人を実行に移します。

しかし、美奈子が次々とスタッフや宿泊客を殺害している合間にも時々晴代が表に出てきて、美奈子はそのつど意識を失ってしまいます。

そしてその後には決まって身に覚えのない死体が。

晴代も殺人を楽しんでいるのか、はたまた美奈子と殺害人数を競っているのか・・。


私がこの作品を初めて読んだのは今から4~5年前だったと思いますが、さすがに一番メインのトリック(初読時はまったく予測できずに衝撃を受けた覚えがあります)は覚えていました。

ですので再読の今回は細かい伏線などにも注意しながらじっくり読めました。

さすがに熟練のお二人、あちこちに丁寧な伏線が張られています。

しかし、初読時は本格ミステリを読み漁り始めて間もない頃だったので、この作品には非常に衝撃を受けましたが、あれから4~5年、ひたすら本格ミステリばかりを読んできた今になると、この密室のトリックには特に感動もなく、また「首無しの死体」はやはり先を読んでしまいます(もちろんのこ作品に関しては「再読」というのが一番大きな理由ですが)。

ただ、お二人の「読者に対して伏線をフェアに張る」姿勢には感銘を受けます。

やはりこの「読者に対してフェアである」という部分が、本格ミステリの魅力であり、美点だと思います。


ちなみに私は基本的に叙述トリックは好物ですので、多少のあざとい表現も許容範囲内です。


しかし、プロ作家同士の「合作」というのは楽しそうではあるものの、それ以上に難しい部分が多いのではないか、という気がしますが実際はどうなのでしょう?







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2009/01/30 00:08|「Killer X」シリーズTB:0CM:0

 

アイデンティティー [DVD]アイデンティティー [DVD]
(2008/09/24)
ジョン・キューザック アマンダ・ビート

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嵐の中、11人はあるモーテルで出会った。モーテルという密室で連続する猟奇殺人、全編に張り巡らされた謎とトリック。全員に共通する5月10日の意味するものとは…。想像も絶する衝撃のラストが待っている。

昨年末に発売になった「2009本格ミステリベスト10」(原書房)の「ミステリ作家に聞くオススメ映画アンケート」のコーナーで紹介されていた「アイデンティティー」を観ました(ちなみに先日の「ナイル殺人事件」も同じ理由で観た作品です)。

「ナイル殺人事件」は原作も主人公も有名ですので、観た事は無くてももちろんタイトルぐらいは知っていました。

が、今回の「アイデンティティー」は、まったく初めて聞く作品です。

特にミステリ小説が原作という訳では無いようですが、あらすじを見ただけですごく惹かれました。

という事で、まずは簡単に内容紹介を。


ある女優の運転手として車を走らせていたエドは、豪雨の夜、街道で一人の女性を撥ねてしまいます。

エドは、撥ねてしまった女性(と夫と子供)を乗せて近くのモーテルに助けを求めに行くのですが、豪雨で電話が不通になっています。

病院へ行こうとしますが、道路が冠水していて、モーテルがある一帯は陸の孤島になっていることが分かります。

やむなくエドはモーテルに引き返して天候の回復を待つのですが、同じようにこの地域に閉じ込められた人々が次々と集まり・・、結局、女優・運転手(エド)・撥ねられた女性・その夫・その息子・娼婦・新婚夫婦・刑事・囚人・モーテルの店主、と計11名がこの地に足止めになります。

そして次々と起こる殺人。

一人、また一人と何者かに惨殺されていきます・・。

現場には、なぜかいつもこのモーテルのルームキーが落ちていて、一人殺されるごとに、まるでカウントダウンをするかのように、だんだん落ちているルームキーの部屋番号が小さくなっていきます。


・・・そして同じころ別の場所では、死刑執行が翌日に迫ったある猟奇殺人犯の再審理が、弁護人や判事とともに行われています。


そのうち、モーテルに集まった11名には、ある共通点がある事が分かり・・。


正直なところ、この作品についてはあまり多くを語れません。

良質なミステリによくあるように、あまりに伏線が多く、何を書いてもネタバレに繋がりそうで・・。

とにかく、この映画は非常に良くできた、自信を持っておすすめ出来る良質のミステリ映画です。

観る者を驚かせる意外な真相があるのですが、その内の一つが終盤の割と早い段階で明かされます。

しかし、この映画はそれだけでは終わりません。

ミステリの常套手段であるにもかかわらず、すっかり気持よくやられました。

やっぱり、ミステリ好きにとって、この「やられた」感がたまらなく気持ちいいですよね。


ミステリ好きなら、観て絶対に損はありません。



最後に、ヒントを一つ。

DVD特典の「エクステンデッド・バージョン」で、ある登場人物が「駆除すべきはネズミであって、建物ではない」と言っています。

これで分かったらすごい。







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2009/01/26 02:24|・ミステリ映画&ドラマTB:0CM:0

 

2002年に第24回メフィスト賞を受賞してデビューした、「物理の北山」こと北山猛邦さんの著作リストです。


「城シリーズ」
 ・「クロック城」殺人事件・・・講談社ノベルス(’02)、講談社文庫(’07)
 ・「瑠璃城」殺人事件・・・講談社ノベルス(’02)、講談社文庫(’08)
 ・「アリス・ミラー城」殺人事件・・・講談社ノベルス(’03)、講談社文庫(’08)
 ・「ギロチン城」殺人事件・・・講談社ノベルス(’05)、講談社文庫(’09)

「音野順シリーズ」
 ・踊るジョーカー・・・東京創元社('08)、創元推理文庫('11)
 ・密室から黒猫を取り出す方法・・・東京創元社('09)

「猫柳十一弦シリーズ」
 ・猫柳十一弦の後悔 不可能犯罪定数・・・講談社ノベルス('11)
 ・猫柳十一弦の失敗 探偵助手五箇条・・・講談社ノベルス('13)

「ダンガンロンパシリーズ(ノベライズ)」
 ・ダンガンロンパ霧切(1)・・・星海社('13)
 ・ダンガンロンパ霧切(2)・・・星海社('13)

「ノンシリーズ」
 ・アルファベット荘事件・・・白泉社My文庫(’02)
 ・少年検閲官・・・東京創元社('07)、創元推理文庫('13)
 ・私たちが星座を盗んだ理由・・・講談社ノベルス('11)、講談社文庫('14)
 ・人魚姫 探偵グリムの手稿・・・徳間書店('13)
 ・人外境ロマンス・・・角川書店('13)

「共著・オムニバス等」
 ・蝦蟇倉市事件(2)・・・東京創元社('10)

「コミック化」
 ・名探偵音野順の事件簿① 山本小鉄子/画・・・幻冬舎バーズコミックス('10)
 ・名探偵音野順の事件簿② 山本小鉄子/画・・・幻冬舎バーズコミックス('10)
 ・名探偵音野順の事件簿③ 山本小鉄子/画・・・幻冬舎バーズコミックス('11)
 ・名探偵音野順の事件簿④ 山本小鉄子/画・・・幻冬舎バーズコミックス('11)



'14.8.14 改訂8版
太字は私の既読作品です)







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2009/01/23 23:47|北山猛邦著作リストTB:0CM:0

 

踊るジョーカー ―名探偵 音野順の事件簿踊るジョーカー 名探偵 音野順の事件簿
(2008/11)
北山 猛邦

商品詳細を見る
推理作家の白瀬は、とっても気弱な友人・音野順が秘める謎解きの才能を見込んで、仕事場の一角に探偵事務所を開いた。今日も白瀬は泣き言をいう音野をなだめつつ、お弁当のおにぎりを持った名探偵を事件現場へ連れてゆく。殺人現場に撒かれた大量のトランプと、凶器が貫くジョーカーが構成する驚愕の密室トリック(「踊るジョーカー」)、令嬢の婿取りゆきだるまコンテストで起きた、雪の豪邸の不可能殺人(「ゆきだるまが殺しにやってくる」)など五つの難事件を収録。

購入から少し間が空いてしまいましたが、北山猛邦さんの「踊るジョーカー」を読みました。

東京創元社のミステリ専門隔月刊誌「ミステリーズ!」に連載されていた作品がまとまった短編集です。

連載時に読んでいるため、この単行本を読むのが少し後回しになっていたのですが、いざ読んでみるとしっかり書き下ろし作品も収録されており、かなり得した気分になれました♪

先月発売された「ミステリーズ! Vol.32」にも「人形の村」という作品が掲載されているのですが、そこに登場していた「ゴロゴロ人形」の意味が、この書き下ろし作品を読んでやっと分かりました。


ちなみにサイン本ですので、恒例の画像掲載です。

北山猛邦サイン(踊るジョーカー)
(クリックで拡大します)

ペンギンがりりしいですね。


踊るジョーカー

記念すべき、シリーズ第1作目です。

語り手は、推理作家(♂)の「白瀬白夜(しらせびゃくや)」。

白瀬は、大学時代に知り合った友人「音野順(おとのじゅん)」の卓越した推理力を見抜き、彼をモデルにした小説を書く事で作家になる事ができました。

しかし困ったことに、音野は、ひきこもりで、二ートで、おまけにいつも寝癖が直らない・・(これは関係ないか)。

という事で白瀬は、この放っておくと暗いところへ暗いところへ逃げて行ってしまう名探偵に何とかささやかでも日の光を当てられないかと考え、結局、むりやり探偵事務所を開く事にします。

白瀬が仕事場として借りているマンションの一室に、新しく購入した立派な事務机を設置し(予算不足で椅子はパイプ椅子ですが・・)、いよいよ「音野探偵事務所」のスタートです!


最初の依頼人は、南斉貴一。

彼の父親は、ある理由から地下室を寝室にしていました。

ある日、その地下室から悲鳴が聞こえ、貴一とその婚約者である藍子、そして屋敷の管理人兼運転手の根津の3名は、急いで地下室に向かいます。

地下への階段の扉の鍵を開け、さらに地下室の扉を解錠して中に入ってみると、そこには床一面に散らばった無数のトランプが。

さらに、床にうずくまっていた父親の腹部には、これまた大量のトランプを貫いた状態の大振りなナイフが刺さっていたのです!

「ト・・・トランプが・・・」という言葉を言い残して息絶える父親。

二重の密室と、謎のトランプ。

非常に魅力的な謎です!


・・が、

状況からして密室の謎はある程度予想ができました。

問題は凶器のナイフなのですが・・

北山先生、これはあまりにも無理があるのでは・・。

理論上は可能かもしれませんが。


名探偵音野の天敵とも言える「岩飛警部」や、音野のファンだという若手の「笛有刑事」も登場し、この白瀬・音野・岩飛警部・笛有刑事の掛け合いが何ともほのぼのしていて、読んでいてなぜか癒されます。


「時間泥棒」

今回の依頼人は上野カイと、彼の姉の婚約者である長崎清史。

まだ応接セットが無いため、音野の立派なデスクを前にして床の座布団に座る依頼者の姿は中々シュールです。

カイは大きな屋敷に、姉である上野アサヒと2人で暮らしているのですが、その屋敷から次々と「時計」が消えていきます!

屋敷には両親の遺産である美術品などもたくさん保管されているのですが、なぜか盗まれていくのはたいして高価でもない生活用の時計ばかり。

音野は、昼食用のおにぎりをたくさん持って(!?)、その屋敷へ調査に向かいます。


次々と消えていく時計。

犯人は、彼らの「時間」を盗もうとしたのでしょうか?

今回も中々魅力的な謎です。


そして音野が解き明かした、時計が消えていく意外な理由。

犯人の行動はしっかり筋が通っていて、納得です。


犯人の誘いに心が揺れる白瀬が、何とも憎めません。

アサヒに気に入られたウブな音野が、これまたほんわかして癒されます。


「見えないダイイング・メッセージ」

自宅で何者かに突然殴られ、死の間際、薄れゆく意識の中でポラロイドカメラを使ってメッセージを残した笹川明夫。

今回の依頼人はその息子の笹川晃です。

殺害された明夫が死の間際に残した写真は、金庫のキーナンバーを伝えようとしたのではないか、との事ですが、残されていたポラロイド写真に写っていたのは、時計やラック、観葉植物などの何の変哲もない部屋の風景。


今回は音野の兄が登場し、白瀬や音野が頭を抱えていたダイイングメッセージをあっさりと解き明かします。

「ひきこもり探偵音野」の兄は、世界的に有名な指揮者であるばかりでなく、弟にも負けない名探偵だったのです!


しかし、このダイイングメッセージは苦しい・・。

解読する方もする方ですが、被害者が死の間際にとっさにこんな事を思いつくでしょうか・・。

明夫を殺害した犯人にしても、動機の意外性は良かったのですが、実際こんなおおざっぱな犯行が思惑通りいくとはとても思えません。


「毒入りバレンタイン・チョコ」

ある大学の研究室で、ゼミに参加していた女子学生がチョコレートを食べた直後に青酸化合物による中毒で倒れる、という事件が発生します。

運よく一命は取り留めますが、このチョコレートはこの女子学生が友達と2人で作ったもので、しかも箱の中に30個ほど並べられたチョコレートのうち、毒物が混入していたのは女子学生が口にした1つのみ。

当時現場には担当教授1名と被害者を含む学生4名がいましたが、これは無差別なのか、それともこの女子学生を狙ったのであれば、一体どうやってそのチョコを選ばせたのか!?

現場にいた学生の一人から依頼を受け、音野は(白瀬に言われてしぶしぶ)調査に向かいます。


今回も、意外な動機、という点では楽しめました。

・・が、このトリックも物理的には可能ですが、現実的にはちょっと難しいでしょう・・。


今回は岩飛警部の上司で、どうやらミステリマニアらしき高庭警視が登場します。

事件後、高庭警視が音野たちに送ったプレゼントが笑えました。


「ゆきだるまが殺しにやってくる」

雪の降る中、あるちょっとした事件を解決していつものように車で家に帰っていた白瀬と音野ですが、運転していた白瀬がなぜか思いっきり道に迷います。

山道に迷い込み辿り着いたのは、辺り一面にゆきだるまが立ち並ぶ丘と、その向こうにぽつんと建つ一軒の豪邸。

やむを得ず泊めてもらう事になるのですが、この屋敷では、二十歳になるお嬢様の結婚相手を決めるコンテストが行われている最中でした。

なぜか成り行きで参加することになった音野。

「一番優れたゆきだるまを作った者が娘と結婚できる」という条件に驚く中、なんと殺人事件が発生します。


・・北山先生、いくらなんでもこのトリックも無理がありませんか・・?


住み込みのお手伝いさんのキャラが良かったです。

あと、冒頭で白瀬と音野がやっていた奇妙なしりとりも。


名探偵の存在意義に悩む音野と白瀬のやり取りは、いつになくシリアスでした。


という事で、このシリーズに出てくるトリックは正直なところ無理が多いです。

思いついた小ネタを元に、むりやりストーリーを作っているような・・。

ただ、音野のゆる~いキャラは読んでいて癒されますし、それ以外の登場人物もそれぞれ個性があって非常に楽しめます。

またもう一つの楽しみとして、音野探偵事務所には毎回必ず何かが増えていきます。

「踊るジョーカー」では、立派なデスク。

「時間泥棒」では、豪華すぎるイタリア製のスタンドライト。

「見えないダイイング・メッセージ」では、ファックス電話。

「毒入りバレンタイン・チョコ」では、ふかふかの絨毯。

「ゆきだるまが殺しにやってくる」では、ペロナンチャ族のゴロゴロ人形。

次は何が増えるか楽しみです。


「意外で、なおかつ納得できる解決」とは中々いかない事が多いですが、作品全体の雰囲気はすごく好きなシリーズですので、連載している「ミステリーズ!」でも毎回楽しみにしています。

今度は何が増えるかな~♪







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2009/01/22 15:02|・北山猛邦TB:0CM:2

 

4,5日前の事ですが、東京創元社から1通の封書が届きました。

特に思い当たる事は無く、「小説を送った覚えもないし・・」(と言うか書いたことも無いですが)などと思いながら開けてみると・・


何と、当選のお知らせとともに「ミステリーズ!図書カード(1,000円分)」が入っていました!


P1170735 - コピー


嬉し~!

そう言えば、毎号巻末に付いているクロスワードの懸賞に先日初めて応募した事をすっかり忘れていました。

創刊号から定期購読しているくせに、第31号にして初めてハガキを送ったのですが、まさか1回目でいきなり当たるとは!

ちなみに当選者は、抽選で10名です。

今年もいい年になりそうだ~!!

東京創元社さんの本、今年も頑張ってたくさん売ります!!(公私混同!?)







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2009/01/18 23:55|・ミステリーズ!TB:0CM:0

 

Rの刻印 読者参加型犯人当てミステリーRの刻印 読者参加型犯人当てミステリー
(2008/10/10)
ふじしろ やまと

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探偵はあなた!読者参加型「犯人当て」文庫。古代エジプト女王ハトシェプストにまつわる歴史的発見をめぐり、次々に起こる殺人。「問題編」を読んで犯人を推理し、エジプト旅行ほか豪華賞品を当てよう!

このところブログの更新頻度が極端に落ちていたのは・・そう、この「Rの刻印」の締切が迫っていたせいです。

という事で、締切ギリギリに何とか逮捕状(解答用紙)の作成が完了し、1/15の午前中に郵便局で投函してきました。

案の定、”当日消印有効”のまさに”当日”になってしまいました。

普段子供に「宿題は早めにやりなさい」とか言ってますが、人の事いえないですね・・。

もう推理の内容を書いても大丈夫だと思いますので、それでは早速・・(これが正解とは限らないため、決して「ネタバレ」とは言えませんが)。


まず犯人「芳川光葉」にしました。

(あ、ちなみに何通も応募するのは自分の中でアンフェアな気がしましたので、逮捕状は一通しか送っていません。)

光葉を犯人にしたのにはいくつか理由がありますが、やはり一番大きいのは「伊野部の携帯の着信音」でしょうか。

アンクの書によれば「ビートルズ」に変わっているであろう着信音を「ビバルディ」と証言しているのは、やはりその場にいなかったからではないかと・・。

他にもアリバイの問題や、ハトシェプストが出てくるからには犯人は男装した女性ではないか、など光葉を犯人した理由は色々ありますが、やはり一番の理由は着信音の証言です。

以下、私の推理(想像?)した「光葉が真犯人ストーリー」では・・

伊野部を呼び出し、催眠スプレーとハルシオンで昏睡状態にする。

船内の花瓶を伊野部の部屋の窓からぶら下げておき、ドアを開けると花瓶が落ちる仕掛けを作成。

昏睡状態の伊野部はセント・ジョセフ号に隠しておき、2/25の2時頃にナイル川の水を使って溺死させ(洗面器1杯分でもOKだと思います)、死体は赤茶色のトランクに隠す。

同じころ、スープレックスクルーズのマリカに電話をして誘導し、花瓶をナイル川に落とす(伊野部がエスナに停泊中のスープレックスクルーズで殺害されたように見せかけるため。)

アスワン到着後、男装して赤茶色のトランクを受け取り、夜中にエスナまで運んで伊野部の死体をナイル川に沈める(エスナでは、「無造作に置かれている漁師たちの手こぎボート」(p158)を使って水上に出たのだと思います)。

バンダルも催眠スプレーを浴びせたあと、絞殺。

死体は直立の恰好で、あおむけにしてレンタカーのなかに放置されていたものと思われます(直立なのは「橋にするため」(後述)。あおむけというのは「死斑は背中一帯に広がっている」(p311)より)。

また男装して昇平に会いに行き、これまた催眠スプレーとハルシオンで昏睡状態にし、ベッドのシーツで昇平を隠し、ルームサービスの大型ワゴンに乗せてレンタカーへ運び、カルナック神殿へ。

神殿のブロックの上に死後硬直中のバンダルを橋のように渡し、その上に昏睡状態の昇平を乗せます(もちろんそれぞれの首にロープを結びます)。

3/21の早朝、死後36時間経過したバンダルの死後硬直が解け始め(p163より)、2人とも首吊りの状態になります(昇平はこの時死亡)。

ちなみに2人をブロックの上に運ぶのにはクレーンを使ったのではないでしょうか(3/14のリハーサルに光葉は参加しており、この時使い方を習ったクレーンは3/21にも神殿に置かれたままでした)。

NILE R」は、「NILE」を逆さまから見ると「37IN」と読めます。

昇平が以前KV37の奥で拾ったフクロウは「m」を表すので、これが犯人のイニシャルという事で。

絵ハガキは、国名の頭文字を並べると「イノベシス(伊野部死す)」。

絵ハガキの写真は「アスワン→コムオンボ→エドフ→コムオンボ→アスワン」となっておりますので、これは伊野部の動き、つまりエドフからエスナに行ったのではなく、エドフからアスワンに戻った(というか戻された)という事を表しているのではないかと思いました。

あと、おまけとしては、光葉は伊野部の詐欺が原因で自殺した人の関係者(家族?)ではないかと妄想しました。

空港で中年女性が「あなた、磯貝さんですよね」と言うのを聞いた光葉は、そこで伊野部の正体に気づき殺害を決意するという・・。


合ってればいいな~。







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2009/01/16 23:59|Rの刻印TB:0CM:6

 

儚い羊たちの祝宴儚い羊たちの祝宴
(2008/11)
米澤 穂信

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これぞ、究極のどんでん返し! あらゆる予想は、最後の最後で覆される。ミステリの醍醐味と言えば、終盤のどんでん返し。中でも、「最後の一撃(フィニッシング・ストローク)」と呼ばれる、ラストで鮮やかに真相を引っ繰り返す技は、短編の華であり至難の業でもある。本書は、その更に上をいく、「ラスト一行の衝撃」に徹底的に拘った連作集。古今東西、短編集は数あれど、収録作すべてがラスト一行で落ちるミステリは本書だけ!

米澤穂信さんの最新連作短編集「儚い羊たちの祝宴」です。

オビには「あらゆる予想は、最後の最後で覆される-。ラスト一行の衝撃にこだわり抜いた、暗黒連作ミステリ。」と書かれていますが、はたして・・。


「身内に不幸がありまして」

舞台は、上紅丹地方に大きな勢力を持つ「丹山家」。

物語は、この家のお嬢様「丹山吹子」に仕える使用人「村里夕日」の手記、という形で進んで行きます。

親に隠れて、小酒井不木・海野十三・夢野久作・江戸川乱歩などの本を読み漁っているお嬢様。

お嬢様は高校卒業後、大学へ進学することとなり、上紅丹の地を出て行きます。

大学では「バベルの会」という読書倶楽部に入り、夏休み、「バベルの会」恒例となっている、蓼沼という別荘地での読書会まであと2日となった7月30日・・

勘当になっていた出来の悪いお兄様が、ライフルを持って突如丹山家のお屋敷を襲います。

使用人の夕日と帰省中だったお嬢様は力を合わせてお兄様を撃退し、その手首を切り落とします。

逃走したお兄様は死んだ事にされ、すぐに葬儀が行われたのですが、その後毎年7月30日になると、丹山家の人間が一人ずつ・・手首の無くなった状態で殺されていきます。

真犯人は・・。

そしてその動機は・・。

終盤真犯人は明かされるのですが、ラスト1行で、その驚きの動機が明らかにっ!


「衝撃」というよりは「なるほど」という印象でした。


「北の館の罪人」

舞台は、千人原地方に大きな勢力を持つ「六綱家」。

物語は、現当主の父親の隠し子(つまり現当主の腹違いの妹)である私「内名あまり」の視点で進んで行きます。

母の死の間際の言葉を頼りに、六綱家を訪れた私。

現当主の光次様は、私に手切れ金を渡して追い払おうとします。

しかし、光次様は「ここで暮らしたい」という私の申し出を受け、私は「北の館」と呼ばれる別館で暮らす事になります。

この「北の館」には早太郎様という、光次様の兄が軟禁されていました。

早太郎様の身の回りの世話をすることになった私。

(ちなみに、光次様の妹の詠子様は大学で「バベルの会」という読書会に入っているようです。)

そのうち、酢・画鋲・糸鋸・乳鉢などを始め、果ては牛の血やラピスラズリなど、次々と不思議な買い物を早太郎様から頼まれるようになります。

体調を崩し、少しずつ痩せ細っていく早太郎様。

ついに世を去ってしまう早太郎様ですが、いくつかの遺品を遺していきました。


ラスト1行は確かに衝撃的な内容ではあるのですが、それまでの流れからすれば普通に予想通りのラストでした・・。


「山荘秘聞」

舞台は、東京の目黒に本邸を構える貿易商「辰野様」の別荘で、八垣内という土地に建つ「飛鶏館」。

物語は、この別荘の管理人として雇われた私「屋島守子」の視点で進んでいきます。

この素晴らしい別荘に惚れ込み、いつお客様が来られてもいいように完璧に管理をしている私ですが、主人である辰野様は中々別荘を訪れてくれません。

(ちなみに、私が以前仕えていた「前降家」のお嬢様は「バベルの会」に入っていたようです。)

そんな冬のある日、私は雪山で遭難した登山者を発見し、飛鶏館で介抱します。

翌朝、捜索をしていた登山仲間たちが飛鶏館を訪れますが、なぜか私は自分が介抱した遭難者の事を彼らに隠しています。

捜索隊を飛鶏館に泊める事になり、近くの別荘からゆき子さんというお手伝いを呼びますが、ゆき子さんは私が何かを隠している事に気付いてしまいます。

私を問い詰めるゆき子さん。

以前仕えていた前降家では「特別な渉外」も任されていた私は、ゆき子さんの口も封じようとしますが・・。


このラスト1行は、今回の収録作の中では個人的に一番のお気に入りです♪


「玉野五十鈴の誉れ」

舞台は、駿河灘に面した高大寺という土地で勢力を持つ「小栗家」。

物語は、この家の一人娘「小栗純香」の視点で進んでいきます。

小栗家では純香の祖母が絶対的な力を持っており、誰もこの祖母に逆らえません。

下り坂になった小栗家を何とか復興させようとしている祖母ですが、後継ぎとなる男の子がいないため、純香を徹底的に管理・教育します。

そして純香の15歳の誕生日。

祖母は「あなたもそろそろ人を使うことを覚えたほうがいいでしょう」と、純香に「玉野五十鈴」という使用人を与えます。

次第に仲良くなる2人。

純香は祖母を説得して大学に進み、そこで「バベルの会」という読書倶楽部に入ります。

しかし、大学に入学してまだ2ヶ月も経っていない5月末。

ある事件により、純香は強制的に高大寺に呼び戻されます。

祖母からの待遇も変わり、五十鈴の態度も変わり、さらには小栗家に待望の男の子が誕生します。


ラスト1行は、「ゾクッ」と来ました。まさかあれが伏線になっていようとは・・。


「儚い羊たちの祝宴」

舞台は、昔「バベルの会」のメンバーが集まって読書をしていたサンルーム。

物語は、その朽ち果てたサンルームの円卓に置かれている一冊の日記をある女学生が読む、という形で進んで行きます。

日記を書いたのは「大寺鞠絵」。

ある理由から「バベルの会」を除名された学生のようです。

成金のパパが、最高の料理人である「厨娘」を雇った、という話が日記に書かれています。

宴の料理を作るのが専門のこの料理人は、最高の料理を作るために特別な料理法をとります。

次々と珍しい食材を調理する厨娘に対し、鞠絵が希望した食材は「アミルスタン羊」。

どうやら良質なアミルスタン羊が、毎年夏の盛りになると蓼沼という別荘地に集まるようですが・・。


ラスト1行は、特に「衝撃」ではないのですが。


こんな大げさなアオリ文句が無ければ、普通に面白い連作集でした。

「小市民シリーズ」などとは違ったダークな一面も楽しめました。

が、あまりにも「看板に偽りあり」です。

ラスト1行で「納得」と言うか「オチ」と言うか、とにかく特に「衝撃」では無いものがほとんどです。

ちょっと、読む前の期待度が高すぎました。


どうせなら新潮社さんも、昨年講談社の「YA!」レーベルから新たに発売になった綾辻行人さんの「十角館の殺人」のように、せめて「衝撃の1行」がページをめくった所に姿を見せるように配置する、ぐらいの事はやって欲しかったです。



さて米澤穂信さんは、2月に「秋期限定栗きんとん事件(上)」(仮)が、続く3月にはその下巻がそれぞれ創元推理文庫から発売になる予定です。

この機会に「春期限定~」から全巻そろえようかな。







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2009/01/15 23:54|・米澤穂信TB:0CM:0

 

今年は、有栖川有栖先生のデビュー作「月光ゲーム」が上梓されてちょうど20年!

有栖川有栖先生のファンサイト「有栖川探偵小説事務所」の管理人である堀江梨穂さんを中心に、以前から企画が進んでいた「20周年記念ピンズセット」が本日届きました。


P1080729 - コピー
チェシャ猫のマーク(普段あとがきに使われているマークから)


P1080726 - コピー
英都大学校章(「マレー鉄道の謎」サイン会時に配られた名刺から)


P1080728 - コピー
EMCバッチ(今回用にデザイン)


P1080721 - コピー
珀友社社章(今回用にデザイン)


カメラの性能と私の未熟な腕のせいで多少ピンボケなのはご容赦くださいませ。


堀江さんのご厚意により、珀友社の名刺も同封されておりました(私の実名入りですので画像は出せませんが・・)。

このピンズセットは建前上ファンの皆で作成した事にはなっておりますが、実質は上述の堀江梨穂さんが、ピンズ作成会社の選定や注文の取りまとめ・商品の発送など、この企画のほとんどの部分を一人でされており、多少の意見とわずかな費用を出しただけの私は本当に頭が下がるばかりです。

堀江さん、本当にお疲れ様でした。

そして、すばらしい企画をありがとうございました。


このピンズセットは、当然有栖川有栖先生はじめ、関係者の方々にも送られております。


有栖川先生、喜んでくれるといいな~♪







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2009/01/08 23:42|・有栖川有栖TB:0CM:4

 

本格ミステリー・ワールド 2009本格ミステリー・ワールド 2009
(2008/12/19)
島田荘司

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巻頭言 40億人の魚(島田荘司);対談 笠井潔×小森健太朗「今の本格ミステリー評論に求められるもの」;読者に勧める黄金の本格ミステリー作者自作解説;読者に勧める黄金の本格ミステリー(小森健太朗;つずみ綾;二階堂黎人);作家の計画・作家の想い;天城一氏を悼む(つずみ綾);Writers in season:2008 二〇〇八年旬な作家たち(岸田るり子;高田崇史);ポール・アルテとのメール交換(つずみ綾);ミステリー論壇(大倉崇裕;霧舎巧);新人賞応募者へのアドバイス(有栖川有栖)〔ほか〕

今日は小説ではありませんが、南雲堂から毎年刊行されている「本格ミステリー・ワールド2009」を読み終えました。

内容としては原書房の「本格ミステリベスト10」に近いですが、「本格ミステリー・ワールド」の方は島田荘司さんが監修にあたっており、普通のランキング本とは違って、作品の紹介はもとより、作家さんの近況報告やインタビューなどにも力を入れている本です。

という事で、感想、と言うよりは内容の紹介をつらつらと・・


まず「読者に勧める黄金の本格ミステリー」

今年は、

  ランボー・クラブ/岸田るり子(東京創元社)

  少女ノイズ/三雲岳斗(光文社)

  完全恋愛/牧薩次(マガジンハウス)

  山魔の如き嗤うもの/三津田信三(原書房)

  青銅の悲劇/笠井潔(講談社)

  浮遊封館/門前典之(原書房)

  しらみつぶしの時計/法月綸太郎(祥伝社)

  トスカの接吻/深水黎一郎(講談社)

  ペガサスと一角獣薬局/柄刀一(光文社)

  1/2の騎士/初野晴(講談社)


の10作品(順不同)が選ばれていました。

ちなみにランキング本ではありませんので、特に順位はありません。


また「作家の計画・作家の想い」のコーナーから、私が個人的に気になる内容をピックアップしていくと・・

 綾辻行人さんは、社会派ノワール超大作「馬鹿野郎ども」を鋭意執筆中とのことですが・・綾辻さんが「社会派ノワール」!?

 何かイマイチ信じられないのですが・・。

 有栖川有栖さんの、迷わず自分の信じる本格をただひたすら書き続ける、という姿勢には本当に頭が下がります。

 ご本人は謙遜されていますが、今や立派な本格の「巨匠」です。

 石持浅海さんは、「顔のない敵」の文庫版が今月発売です(ちょうど今日ぐらいだったかな?)

 新作も続々と予定されているようですので、今年も楽しみです。

 大倉崇裕さんは、「福家警部補」の第2短編集が今年こそは刊行される・・予定。

 「ミステリーズ!」での連載も再開されるようですので、こちらも非常に楽しみです。

 霞流一さんは相変わらずの調子ですね。

 「ロング・ドッグ・バイ」って・・。

 「刑事コロンボ+必殺+サイコスリラーって感じの闇鍋系本格ミステリー」も、もし刊行されればぜひ読みたいです。

 北山猛邦さんは、「踊るジョーカー」のサイン本が手元にあるのですが、まだ読めていません・・、すみません。

 連載時に読んでいるため、単行本を読むのが少し後回しになってしまっていますが、出来るだけ早く読みます。

 くろけん(黒田研二)さんは、相変わらず2008年に1冊も本を出せなかった言い訳がずらずらと・・。

 ま、確かにロックくんめちゃめちゃ可愛いですもんね!

 驚いたのは篠田真由美さんです。

 何と「本格ミステリへ別れを告げる」そうで・・。

 新しい作家さんが次々と登場する中で、逆にこうやって本格のフィールドから去って行かれる方がいるのは非常に寂しい事ですが、自分の興味のあるジャンルを作品にしていくのが一番だと思いますので、これからの変わらぬ活躍をお祈りいたします。

 道尾秀介さんは、連作短編集「鬼の跫音」が今月発売。

 「片眼の猿」「ソロモンの犬」「ラットマン」「カラスの親指」に続く「干支シリーズ」だそうで・・そんな話初めて聞きました。

 他にも「龍神の雨」「真備シリーズの短篇集(タイトル未定)」「球体の蛇」など、今年も盛りだくさんの予定のようです。

 三津田信三さんは、春頃に刀城言耶シリーズ初の中短編集「密室(ひめむろ)の如き籠るもの」が講談社ノベルスより発売。

 同時期に、シリーズ1作目の「厭魅の如き憑くもの」が講談社文庫で発売になり、逆にシリーズ中唯一ノベルス版だった「凶鳥の如き忌むもの」が「特装版」として原書房からハードカバーで発売になるようです。

 まさに刀城言耶祭り!

 

・・ということで、今年も私の読書のスピードが、とても新作の刊行について行けそうにありませんが、今年も1作でも多くの作品と触れ合い、またこの場で紹介していこうと思います。




ブログを書く暇があったらもっと読めるのでは、というのは禁句です







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2009/01/07 23:43|・その他TB:0CM:2

 

本格ミステリ作家クラブ」のサイト(←右のリンク集からどうぞ!)が更新され、「2009年1月の本格トピックス」が掲載されています。


先月よりスタートした、「私の愛するキャラクター」(「ジャーロ」より転載)では、「小林少年と少年探偵団」が一番共感できました。

世代を超えて愛される江戸川乱歩の作品。

私の小さな息子たちも、今は「かいけつゾロリ」や「怪談レストラン」などを楽しく読んでいますが、本格ミステリばかりが並ぶ私の本棚にも興味津々のようで、私の二の舞(?)になるのは時間の問題かも・・。

昨年還暦を迎えた私の父も、「本格」ではありませんが、広い意味での推理小説は昔から好きで今でもよく読んでいるようですので、やはり私もどこかでその影響を受けたのだと思います。


さて、綾辻行人さんが「必要があって」刑事コロンボを観直している、というのも気になります。

刑事コロンボ」と言えばやはり大倉崇裕さんですが、綾辻さんも倒叙物でも書くのでしょうか?

くろけん(黒田研二)さんは、自身のブログにも書いていましたが帯状疱疹になったそうで、私は経験ありませんが以前これにかかった友人の話によると、かなり辛いそうですね・・。

無事に治っているようで、良かったです。


本格ミステリ作家クラブの編纂で、毎年講談社ノベルスからアンソロジーが発売されていますが、その中から「本格ミステリ’05」が、「大きな棺の小さな鍵」というタイトルで今月講談社文庫より発売になります(ノベルス版は「’01」を皮切りに、現在「’08」まで刊行。そのうち「’01~’04」まではすでに文庫になっています。詳しくは「本格ミステリ作家クラブ」サイトの「アンソロジー」の項目をご覧ください)。

ちなみに私は単なる本格ファンであって、本格ミステリ作家クラブの回し者ではありません。

念のため。

しかし今月発売のこの文庫(「大きな棺の小さな鍵」)は、今年の5月に開催される「第9回本格ミステリ大賞公開開票式」に招待してくれるプレゼント企画付きのようですので、これは買わねば!


こうしてまた未読の本が消化しきれずに増えていく・・。







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2009/01/06 23:11|・本格ミステリ作家クラブTB:0CM:0

 

女王国の城 (創元クライム・クラブ)女王国の城 (創元クライム・クラブ)
(2007/09)
有栖川 有栖

商品詳細を見る
舞台は、急成長の途上にある宗教団体“人類協会”の聖地、神倉。大学に顔を見せない部長を案じて、推理小説研究会の後輩アリスは江神二郎の下宿を訪れる。室内には神倉へ向かったと思しき痕跡。様子を見に行こうと考えたアリスにマリアが、そして就職活動中の望月、織田も同調、四人はレンタカーを駆って木曾路をひた走る。“城”と呼ばれる総本部で江神の安否は確認したものの、思いがけず殺人事件に直面。外界との接触を阻まれ囚われの身となった一行は決死の脱出と真相究明を試みるが、その間にも事件は続発し…。江神シリーズ待望の書き下ろし第4長編。

ついにと言うかようやくと言うか、有栖川有栖さんの「女王国の城」を読みました。

本格ミステリブログを立ち上げている人間が「女王国の城」もまだ読んでなかったのか、と叱られそうですが、読んでしまうのが勿体なくて、購入したままずっと大切に寝かせてあったのです。

この気持ち、分かってください(誰に言い訳してるんだろう?)


仕事柄大晦日も正月も働き詰めのため、毎年の事ですが、帰省する妻と子供たちに置いて行かれ、一時的な単身赴任状態のまま今年も一人で年を越しました。

そこでささやかな楽しみ。

今年は「女王国の城」を、文字通り読みながら年を越しました。

ちょうど第3章を読んでいる辺りで新年を(そして有栖川有栖さんの記念すべきデビュー20周年の年を)迎え、ミステリファン、そして有栖川有栖ファンとしてはこれ以上無い幸せな年越しでした。

さて、長い間寝かせてあったこの本が、熟成されてさらに面白味が増したかどうかは分かりませんが、以下、あらすじと感想です。


冒頭、初心者ドライバーであるアリスの運転するレンタカーで、木曾山中の「神倉」という土地を目指す「英都大学推理小説研究会(EMC)」の4人。

「ちょっと遠出するかもしれん」という言葉を残して行方をくらませた江神二郎部長を心配した4人は、下宿に残された痕跡を元に、部長は「神倉」へ向かったのではないかと推理し、後を追いかける事にします。

「神倉」-そこは「人類協会」という宗教団体の本部があり、住民の9割が「会員(信者)」という、特殊な街。

紆余曲折を経て何とか江神部長との再会を果たしたEMCの面々ですが、運悪く人類教会の本部である「城」の中で殺人事件に遭遇してしまい、警察への通報を頑なに拒否する人類協会の会員たちによって、「城」に軟禁されてしまします。

何とか脱出しようと奮闘するアリスたちですが、その間にも第2、第3の事件が・・。




という事で、毎回クローズドサークルの「江神二郎シリーズ」ですが、今回は宗教団体の本部である「城」、そしてそれをとりまく「神倉」という土地に閉じ込められてしまいます。

内容に関しては、いつもの有栖川作品と同じように、いやそれ以上に数々の伏線が張り巡らされ、それが論理的にある1点に向かって収束する、これ以上ない最高の作品でした。


ストーリーに関してあまり突っ込んだ感想を書くとネタバレにも繋がりかねませんので、今回は一つ、作中の事件とあまり絡まない所で感想をつらつらと・・。


まずは序盤、ほんのわずかに触れられる「桜川の変死体」。

そう言えばそうでした。

私が「神倉」という土地に聞き覚えがある気がしたのは単なるデジャ・ヴでは無かったのですね。

以前「ミステリーズ!」(東京創元社)で数名の作家さんが競作した「川に死体のある風景」。

その1篇が、有栖川有栖の「桜川のオフィーリア」(←主人公は江神二郎)でした。

私の記憶力もまだまだ捨てたものじゃないな・・。


今回なぜか四字熟語を会話に入れるのが小さなブームになっているらしいマリアたち。

緊迫した場面でもついつい笑ってしまいそうな会話がいくつもちりばめられていました。

それと同じく、エラリィ・クイーンフリークの望月先輩はやはり会話にクイーンが何度も登場するのですが、マリアがそれとなく「思考機械ヴァン・ドゥーゼン教授」の名前を出した場面にも思わずニヤリ。

彼女達の置かれた状況から「13号独房の問題」をすぐに連想した私は、やはり立派なミステリマニアでしょうか?

あぁ、また「思考機械の事件簿」が読みたくなってきた・・。


終盤、UFOオタクの荒木とともに「陰謀」について議論する場面がありますが、そこでの江神部長の「幼稚で誇大な妄想と”戯れてみせる”のが本格ミステリだ」というくだりは非常に感銘を受けました。


そして今回も不敵に読者の前に立ちはだかる「読者への挑戦」。

いつもとは少し雰囲気の違う「読者への挑戦」に、まさしく全身の血が泡立つ思いでした。

そこに並んだ言葉の美しさ。

そして「本格ミステリ」を心から愛し、それを貫き通す「有栖川有栖」という人物の、あまりに大きなその存在。

気障な文章が気障に見えない、その自信あふれる「読者への挑戦」に、心をわしづかみにされました。

本格ミステリとは”最善を尽くした探偵”の記録だ。」

座右の銘にさせていただきます。


さて、アリスの「性寂論」とでも言うべき「寂しさ」についての独白も、切なく、とても興味深かったですが、やはり気になるのはアリスとマリアの関係。

マリアが、久々の再会で「アリス、握手。私と握手して」と言っていたシーンで悶え、終盤の「俺に命を預けてくれるか?」ではちょっと笑ってしまいました。

それにしても、ラストの「ううん、全部」は・・。

おぉ~、次回作が気になります!

それと今回は織田先輩がカッコ良かった!!

次回作でも皆に見せ場があるといいな♪



あとがきでも触れていましたが、この「江神二郎シリーズ」は、番外編とでも言うべき短編たちを別にすれば、以前から「長編5作で完結予定」と著者は語っています。

その通りであれば、いよいよ次回が完結編。

江神二郎は、母親の預言(呪い?)にどう立ち向かうのか。



本格ミステリとはどうある「べき」か?

本格ミステリはどこに向かう「べき」か?

そんな議論とは少し距離を置いているように見える著者。

ただひたすたらに本格を愛し、貫き、迷わず書き続ける有栖川有栖なら、きっとまた「江神二郎」の素晴らしい物語を創造してくれることでしょう。


その日を楽しみに、いつまでも待ちます。







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2009/01/05 01:27|・有栖川有栖TB:0CM:2

 

いや~、面白かった!

先ほどNHK総合で、大倉崇裕さん原作のドラマ「福家警部補の挨拶~オッカムの剃刀~」の放送がありました。

DVDレコーダーをセットしていたのですが、我慢出来ずに結局録画しながら同時に観てしまいました

原作の骨子はそのまま残しつつ、全体的にかなり笑えるドラマに仕上がっていました。

・・・って言うか、はっちゃけすぎ!!


殺される池内准教授、「なんだ猫か・・」って!

途中の「演歌カラオケDVD」風の演出と言い、わけ分からない筒井教授のキャラといい、池内准教授のブレイクダンスといい、面白すぎ!!


永作博美さん演じる福家警部補は少し原作とイメージは違っていましたが、永作さんのあからさまな作り笑顔や、原作には無かった決めゼリフなど、どれも良かった!

私の中の福家警部補はもっと無表情で淡々としているイメージでしたが、人の話を全く聞かずに自分のペースで会話を続けていく辺りは原作通りでした。

犯人の柳田嘉文はちょっと壊れてましたが・・。


この面白さは、脚本の福原充則さんの手腕ですか?


番組の後に「刑事コロンボ」のCMが流れたのも最高でした。

刑事コロンボ」は明日の夜から毎週土曜日放送のようですが、残念な事にウチはBSが映らない・・。

やっぱり素直にDVDで集めようかな・・。


NHKさん、ぜひ福家警部補の他のエピソードもドラマ化して下さい!!




あまりに楽しいドラマだったので興奮気味の記事になりましたが、観る価値ありの作品でした。



あ、遅くなりましたが、皆様新年明けましておめでとうございます。

本年も、「謎と論理と遊び心」をどうぞよろしくお願い申し上げますm(_ _)m



ちなみに、このドラマの原作の記事はこちらから→ 「福家警部補の挨拶/大倉崇裕」







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2009/01/02 23:15|・ミステリ映画&ドラマTB:0CM:2

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